郵政選挙で自民躍進の象徴だった「小泉チルドレン」の多くは国会から退場することになった。自民党公認で小選挙区に65人、比例単独で8人、他党・無所属の4人を含めると計77人が立候補したが、小選挙区で3人、比例で7人の計10人の当選にとどまった。一方、100人超とも言われる「小沢チルドレン」が大量当選し明暗を分けた。
小泉チルドレンの多くは、選挙区にゆかりのない「落下傘候補」だった。静岡7区の片山さつき氏(50)は東京都出身で「ミス東大」にも選ばれた元財務官僚。ワイドショーの常連だったが、逆風に泣いた。片山氏は「振り子が大きく振れている時代だ。振り子は必ず戻る。これまでの信念は曲げない」と涙ぐみながら話した。
野田聖子消費者行政担当相との公認争いに負け、岐阜1区から東京5区に国替えした佐藤ゆかり氏(48)も敗れた。マウンテンバイクに乗り、都市住民を意識した選挙戦を展開したが及ばなかった。佐藤氏は「やはり我が党に対する大きな逆風は計り知れなかった」と語った。
ピンクのスーツがトレードマークの井脇ノブ子氏(63)=大阪11区=も落選した。
小泉チルドレンは4年前、83人が当選。解散前に3人が地方の首長選に立候補するため辞職した。北海道1区の公認争いに敗れた杉村太蔵氏(30)、比例名簿での優遇が認められなかった猪口邦子氏(57)ら3人は不出馬。
一方、小沢チルドレンは、自公の大物候補の対立候補として送り込んだ女性候補や、比例単独候補ら100人超とみられ、民主党内の一大勢力になりそうだ。
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■自民で立候補
北海道10 飯島夕雁 ×
宮城1 土井亨 ×
福島1 亀岡偉民 ×
福島4 渡部篤 ×
茨城5 岡部英明 ×
茨城7 永岡桂子 〇
埼玉5 牧原秀樹 ×
埼玉6 中根一幸 ×
埼玉9 大塚拓 ×
埼玉11 新井悦二 ×
埼玉15 田中良生 ×
千葉4 藤田幹雄 ×
千葉5 薗浦健太郎 ×
東京3 石原宏高 ×
東京4 平将明 〇
東京5 佐藤ゆかり ×
東京6 越智隆雄 ×
東京7 松本文明 ×
東京18 土屋正忠 ×
東京19 松本洋平 ×
東京20 木原誠二 ×
東京21 小川友一 ×
神奈川4 林潤 ×
神奈川5 坂井学 ×
神奈川7 鈴木馨祐 ×
神奈川8 福田峰之 ×
神奈川14 赤間二郎 ×
新潟6 高鳥修一 ×
石川3 北村茂男 〇
福井1 稲田朋美 ◎
山梨1 赤池誠章 ×
山梨3 小野次郎 ×
岐阜3 武藤容治 ×
静岡7 片山さつき ×
愛知1 篠田陽介 ×
愛知3 馬渡龍治 ×
愛知4 藤野真紀子 ×
愛知6 丹羽秀樹 ×
愛知8 伊藤忠彦 ×
愛知11 土井真樹 ×
愛知14 杉田元司 ×
滋賀1 上野賢一郎 ×
滋賀2 藤井勇治 ×
京都2 山本朋広 ×
京都3 清水鴻一郎 ×
京都4 中川泰宏 ×
京都6 井沢京子 ×
大阪2 川条志嘉 ×
大阪7 渡嘉敷奈緒美 ×
大阪8 大塚高司 ×
大阪11 井脇ノブ子 ×
兵庫1 盛山正仁 ×
兵庫3 関芳弘 ×
兵庫6 木挽司 ×
鳥取2 赤沢亮正 ◎
岡山2 萩原誠司 ×
岡山3 阿部俊子 〇
岡山4 橋本岳 ×
広島2 平口洋 ×
福岡1 遠藤宣彦 ×
佐賀1 福岡資麿 ×
長崎1 冨岡勉 ×
熊本1 木原稔 ×
鹿児島4 小里泰弘 ◎
沖縄2 安次富修 ×
比例東北 近江屋信広 ×
比例南関東 浮島敏男 ×
比例東京 安井潤一郎 ×
比例東京 若宮健嗣 ×
比例近畿 近藤三津枝 ◎
比例近畿 矢野隆司 ×
比例北陸信越 長島忠美 ◎
比例四国 西本勝子 ×
■みんなの党で立候補
佐賀3 広津素子 ×
比例北関東 山内康一 ◎
■無所属で立候補
千葉6 松本和巳 ×
山梨2 長崎幸太郎 ×
※ ◎は小選挙区か比例単独で当選、○は比例重複で復活当選、×は落選
毎日新聞 2009年8月31日 東京朝刊