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魔笛 〜世界を操る影の存在〜 〈続・戦いか破滅か〉 |
目 次 序 章 ビートルズ |
第二章 忍び寄る影
また、もとの電電公社、すなわち現在のNTTを民営化した。 実は、このNTT分割・民営化もアメリカの圧力によるものであった。 1978年、ジュネーブでのガット東京ラウンドでアメリカが電電公社の門戸開放を要求。その後、アメリカの対日要求は厳しさを増した。 85年2月には、アメリカのオマール商務次官が来日し、4月1日までに結論を出せと強硬に迫ったのである。 その後、アメリカの多国籍企業のモルガン財閥の傘下であるIBMとNTTの合弁会社、日本情報通信株式会社がつくられたが、これにより日本独自の高度な通信技術がIBMに、ひいてはその親会社であるアメリカのモルガン財閥に流れていった。 アメリカの手に落ちたのは通信技術だけではない。NTTとIBMの開発した情報ネットワークが一本化することにより、日本国民のクレジットカードにおける消費生活の全情報がアメリカの手に落ちることとなった。 さらに、アメリカはこの中曽根を通して1機106億円もするP3Cを自衛隊に100機も売りつけることに成功した。そして中曽根は賄賂としてロッキード社から30億円を受け取った。しかし中曽根は刑事問題にされなかったのである。 1994年5月、シンガポールでアメリカ・アジア・ソサエティー主催の世界経済人会議が開かれた。この場を仕切ったのが、シンガポールのリー・クアンユー上級相である。 リーは、影の政府のメンバーが集う、世界経済フォーラム、通称ダボス会議にも出席しており、東南アジアの華僑の中では指導的な役割を果たしている人物である。 アメリカも、アジアで伸張著しいシンガポールを、韓国と共にNAFTA、北米自由貿易協定に引き入れ、対日本シフトを完成させようともくろんでいる。 このように、日本は各国との関係を寸断され、経済的孤立に追い込まれている。日本包囲網は着々と完成に近づいているのである。 三百人委員会はアヘンを売っては中国で暴利をむさぼり、今や日本人の生命を脅かしている。その背景には「異教徒は獣である」という思想があるが、とくに、白人の非白人に対する差別意識は格別である。 彼らは自らを白人と呼び、アヘン戦争で苦しめられた中国人や、わたしたち日本人のことを黄色人種と呼ぶ。黄色、英語でいう"yellow"には「憶病な、腰抜けの」という意味がある。 しかし、この"yellow"を使う背後には、白人のわたしたちに対する畏れがある。 19世紀に、欧米を中心に黄禍論がわき起こった。黄禍論とは、彼らの言う黄色人種が白人の支配体制を崩すというものである。白人たちは中国および中国人を軽蔑しながらも、広大な国土と巨大な人口に対する畏怖の念もあり、中国に対して目覚めつつある眠れる巨人という懸念があった。 しかし、戦争が始まるや否や、日本を矮小化する報道がなされた。このアメリカが日本より優位にあるという感情は太平洋戦争の結果、より強固なものとなり、現在に受け継がれている。 例えば、自衛隊のある艦は、米軍のシスターシップということでしばしば米軍人を迎えてパーティーを開かされた。 しかも異常にに豪華なレセプションを開いたために予算を使い果たし、そのしわ寄せが自衛隊員の日常の食事にかかっているという。 また、これは、ある自衛隊員にまつわる逸話である。 つまり、飛行機はみんな尾翼に国籍を表すアルファベットを書き入れるんですが、これが日本はJAなんですよ。しかし、日本に勝った国はみんな一文字なんです。日本も戦争の前は、Jの一文字だったんです。。ところが負けてしまって、二文字に格下げされたんですね。『エイ』というのはこのAなんです。お前は二文字の二流国だよ、ということなんですね」 米軍の下部団体。彼らは自衛隊を子分としか考えてないんですよ。 探していけば、一国の軍隊としての矛盾はいくらでもある。たとえば戦闘機の重要な計器類はブラックボックスになっていて、日本の自衛官は開けられないんですよ。米兵じゃないと駄目。もう正体見えたなって思いました」 このような、アメリカ人の日本人に対する差別意識は根深いものがある。 1906年4月、サンフランシスコを襲った地震と火事による大損害の後始末に追われている最中、彼らは東洋人を血祭りにあげ、略奪と暴行を加えた。 さらにアメリカの新聞は、ロシアの軍隊を撃破した日本を好戦的な国として扱った。 つまり、太平洋戦争は開戦34年前から予定されていた戦争だったのである。 そして、太平洋戦争は、一部の例外を除いてはオレンジ・プラン通りの展開を見せたが、基本的戦略は1910年前後に立案されたものが受け継がれた。 このように、アメリカという国は、他国を侵略するのにかくも用意周到なのである。
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