新型インフル:手を洗わない韓国人(中)
ソウル市庁駅のトイレ利用者、10人中4人は手を洗わず
■きれいに手を洗うには不十分な環境
証券会社勤務のヒョン・ソンジョンさん(25)は、7月中旬ごろ同僚と共に夏の休暇を利用してシンガポール旅行に出かけた。ヒョンさんは帰国と同時に「手洗い用消毒液」を購入し、今も常にかばんの中に入れて持ち歩いている。シンガポールに比べて韓国の「手洗い環境」はかなり不十分なため、「水がなくても手を清潔に保つことのできる消毒液が必要」と痛感したという。
シンガポールでは観光施設だけでなく、ショッピング施設や地下鉄のトイレなどにも、石けんや使い捨てタオルがあちこちに備えられていた。また、各トイレに「手を洗うことで新型インフルエンザへの感染を防ごう」というポスターがはられていた。ヒョンさんは「旅行に行く前は新型インフルエンザに感染しないか心配していたため、マスクをして飛行機に乗った。しかしシンガポールの公衆衛生レベルは、韓国よりも間違いなく優れている」と述べた。
夏に香港旅行に出かけた出版社勤務のキム某さん(28)も同じような経験をした。公共の施設だけでなく、民間のビルや飲食店、空港のチェックインカウンターなどには「自由に使ってください」という表示と共に、手の消毒液が備え付けられていた。キムさんは「カフェにもレジの横に消毒液があった。注文して待っている間に手をきれいにすることができた」と語る。
しかし、韓国の手洗い環境はまさに劣悪の一言に尽きる。大学生のシム某さん(25)は数日前、教会での集まりに参加し、その後夕食を取りにソウル光化門近くにある飲食店に行った際、非常に不快な経験をした。50席ほどはあるかなり大きな飲食店だったが、トイレには手を洗う洗面台がなかった。トイレのドアの前に数枚の濡れた手ぬぐいが積み上げられているだけだった。
シムさんは「この食堂のメニューは豚バラの焼き肉がメインだったが、直接野菜を手に取って包んで食べる食堂に手を洗う場所がないのだから、まさに開いた口がふさがらなかった。地下鉄のトイレにも手洗い用の液体石けんがないことが多い。そのためトイレに行くときは、チェーンのコーヒーショップやファーストフード店をわざわざ探す」と述べた。
■手洗い教育も不十分
手洗いの重要性について学ぶ機会もほとんどない。汎国民手洗い運動本部が行なったアンケート調査によると、「手洗いについて何らかの教育を受けたことがある」と回答したのは全体の27.2%だった。ソウル・アサン病院臨床専門看護学科のチョン・ジェシム教授は、「手洗いの重要性が強調され始めたのは、ここ2年から3年の間だ。最近の小学生は幼稚園で手を洗う方法を学ぶため、しっかりと洗えているが、大人の方が逆に手洗いについて学んだことがない」と語る。
チョン教授は米国疾病予防管理センターの基準を基に▲食事をするときや準備の際▲トイレを利用した直後▲トイレから出てきた子供の手をふいた後▲鼻をかんだりくしゃみをした後▲ペットなど動物に触れた後▲ごみを取り扱った後▲病人の看病などの世話をした場合などには、必ず手を洗わなければならないとアドバイスする。洗うべきかどうか迷ったときには、「とにかく洗うべき」とチョン教授は強調する。
パク・シヨン記者
キム・ギョンファ記者
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