【ソウル=尾島島雄】韓国のYTNテレビは1日、外交消息筋の話として、北朝鮮が今年3月、麻生太郎首相の訪朝を招請していたと報じた。金正日総書記の直接の指示によるもので、日本側が訪朝を拒否したとしている。
報道によると日朝は今年2月22日と3月5日に接触。3月には麻生首相の秘書官と北朝鮮労働党作戦部の実務者が北京で会談した。張成沢(チャン・ソンテク)党行政部長が日本側との接触に関し金正日総書記に報告した際「問題を複雑にせず麻生首相を平壌に招請しろ」と指示したという。
3月5日の会談では「中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)が訪朝し、拉致問題を解決する代価として日本が10億ドルを支援する」ことで合意したとしている。日本側が招請を断った理由として同テレビは、北朝鮮が4月以降、人工衛星と主張した長距離弾道ミサイル発射と2度目の核実験に踏み切ったためと推測した。(21:16)