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自民秘書ら2000人 失業危機!?

9月2日7時57分配信 産経新聞

 衆院選で落選した自民党議員の秘書や事務員らが失業の危機に陥っている。失業者は計約2千人に及ぶとの見方もあり、秘書らは「家族がいるのに…」「雇用悪化の中、就職先が見つかればいいが」と一様に不安顔だ。(伊藤鉄平)

 「逆風なので、ある程度は覚悟していましたが、2カ月前に結婚したばかり…。あのときばかりはさすがに頭の中が真っ白になりました」。9選を目指す自民党のベテラン議員の男性秘書(33)は投開票日の8月30日午後8時半ごろ、対立候補の「当確」が報じられると、最悪のシナリオが頭をよぎった。

 大学卒業後に私設秘書となって10年。ほかに職歴はない。「民間企業で使いものになるのか…」。この議員は東京と地元の2カ所に事務所を置き、公設・私設をあわせ秘書は9人。事務のバイトらを含めると20人近くを雇用している。

 「落選すれば、中小企業が一つつぶれるぐらいの失業者が出る」。比例当選を願い、惜敗率の計算のため、しきりに電卓をたたいた。「復活」が決まったのは日付が変わってから。「助かった」。ブロックで最後の比例枠だった。「最後は神頼みでしたが、最悪の事態は避けられた。感謝の言葉もありません」

 自民党関係者によると各議員が雇う秘書や事務員は約10人程度。20〜30人を雇用する“大物”もいる。落選すれば、他の議員事務所に“移籍”するなどの受け皿がこれまではあったが、「これほど議席を失うとそれも厳しい」という。自民党関係者は「最終的に2千人程度が失業するのでは」と話した。

 東京・永田町の衆院議員会館で、事務所の撤収作業を行っていた落選議員の男性秘書(49)は「こういう職業だということは家族も理解してくれているが、景気悪化で再就職先があるのか」と不安顔。40代の女性秘書は「いざとなれば民主党に行く」と意気込んだが、民主党には「自民党のスパイとなる可能性があるため雇わない」(民主党政策秘書)との暗黙の了解があるといい、“雇用のミスマッチ”も生じている。

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最終更新:9月2日8時21分

産経新聞

 

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