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静岡地裁開廷表は専用ブログを作りましたので、そちらで配信します。 http://courts.eshizuoka.jp/

2009-09-01

[]小川秀世弁護士オービス裁判

静岡簡易裁判所

平成21年(ろ)27号

被告人・郭リサ

裁判官・姉川博之


静岡には地裁のほかに簡易裁判所がある。

簡易裁判所仕事なんて、刑事ではぶっちゃけ交通違反の赤キップの罰金を納めさせるための名義貸しにすぎない。

けど、時たま法廷が開かれることがある。本当に時たま。

静岡地裁刑事部には5人の裁判官がいるけど、簡裁刑事・民事ともに姉川博之さん一人だ。


略式命令に従わない跳ね返りのための法廷、それが静岡簡裁。だから事件の規模はチャチいけど、思いもよらない展開が多々ある。

今日もそう。道路交通法違反だけなのに審理、しかも時間は1時間半。40キロ以上オーバースピード違反など重大な違反なら地裁だし、簡裁でここまで争うには何かある。そう思って2号法廷に行ってみたら、小川秀世弁護士が頑張ってた。静岡では珍しいオービス裁判


早朝の富士由比バイパスの、自動車専用道路部分。被告人の主張は記録された時間スピードが違う、ということのようだ。

2回目の審理と思われる今日は、呼び出して供述調書を取った、当時の交通機動隊証人尋問。


先に俺の印象を書いておくと、オービスにはさまざまな問題があるけど、時間スピードの両方が違うという主張は厳しい。両方とも違うというのは確率的にも難しい。

たとえば、前の車の違反なのになんらかの理由で間違えられたということはありうるし、そういう認定っぽい無罪判決もある。

記録された時間が違うというのも、なんらかの理由で間違えられたということはありうるだろう。

しかし、その両方が同時にってのはどうだろう?


弁護人としては被告人を信じるしかない。だから頑張って探してきた。

俺も最初は小川先生が何を言ってるのか、よく分からなかった。バイパス高速道路ですか、って延々と質問。交機の証人バイパス高速道路じゃねーよ、おめーもしかして免許持ってないだろ的に得意げにべらべらしゃべったところで。

取り出した安協で出してる教本、ここに致命的な間違い。高速道路とは高速自動車国道自動車専用道路のことをいう、という記述がある。富士由比バイパス自動車専用道路なのだから高速道路法廷速度100キロと誤認されるのはやむをえないのではないかと主張。

これで証人、延々とだんまり。


はっきり言ってこれは無理筋。教本の表現が不適切です、といえばそれまでの話。しかし、組織に逆らえないんだなー、警察官ってものは。そこを上手くついた。

だから小川弁護士裁判は面白い。


俺は現場付近の道路をよく知ってる。

国道一号線バイパス静岡方面の西から言わせてもらうと、清水インターまでは通称静清バイパス自動車専用道路、そこから西は名目上は一般国道だけど並行する旧道があるから事実上自動車専用、駿河健康ランドから旧道と合流するけど自動車以外に通る車両はほとんどないし、由比駅の東で旧道と分岐すると自動車道。

俺は旧道の合間をやむを得ずこの道路原付で走ることが多いんだけど、いくらスーパーカブとはいえ60キロがやっと。大型トレーラーのような遅そうな車を見つけてその後ろについて、頑張って60キロで走る、それで初めて安全。なんにもないなか60キロで走ろうものなら、10センチくらい横を100キロくらいのスピードの乗用車が駆け抜けていく、そんな道路

俺の乗ってるカブなんか30キロ制限だよ。でもあんなところ30キロで走ってたら命に関わる恐怖を感じる。

そしてもうひとつ小川弁護士が証明しようとしてたのが、警察オービスを40キロオーバーに設定して100キロ前後以上のスピードを取り締まろうとしていた事実


ぶっちゃけ原付乗りの俺から言わせてもらえば、速度違反は全員死刑でいいよ、と思うんだけど、でも100キロ越えなきゃ大丈夫ってのは100キロなんか絶対越えないカブ乗りの俺ですら知ってる話であって、そういう法律以外の裏事情を知ってるか知らないかで処遇が変わってくるなんて、憲法の保障する法の下の平等に関わる問題でもある。

俺がこの裁判に興味を持ったのは、交通行政に象徴される本音の建前の、人治的な恣意的な行政司法処分に対して意義を申し立てたのが、竜をあしらったような中華ドレスを着た中国人だったということだった。


次回審理は10月27日13:30。自動速度取り締まり装置の業者に対する証人尋問。

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