2009年08月05日

「キレイな脳脊髄液減少症」論・・・by 脳神経外科医


☆A・Oさん

今日は、日本**大学で、脳脊髄液減少症の初診です。 今日は、目覚めたときから、身体が、兎に角、軽かった。 でも、健康体にはほど遠く、アタマの前頭部には、白いモヤがかかっていて、ちょっとフラフラ。いつものように、アタマの周囲を締め付ける頭痛もします。

(中略)

出来る限りの早足で、脳神経外科まで急ぎます。 幸い、ほどなくして、診察室から、名前を呼ばれました。 軽く挨拶を済ませ、紹介状を呼んでらっしゃる先生に、持参した頭部MRIの写真を渡します。ドキドキ。

今回の先生は、45歳くらい。 生真面目そうな顔立ちに、生真面目そうな銀縁メガネ。でも、診療中に見せた微笑は、かわいかったです。

MRI写真を眺めながら、 「脳が沈降しているような気配は、この写真では見られないですね。」

あっ、そうですか。自分や、このMRIを撮ったときの神経内科の先生は、頭頂部側にすきまがあるように感じたのですが。

「造影剤を入れたら、より正確にわかるのですが。あと、顔側から後頭部へと縦に切断したMRI写真も欲しいところです。加えて、首周りですね。」

分かりました。でもMRIより、RIシンチの方が、漏れの箇所が分かるのではないですか?

「MRIで充分です。」

と、来週の木曜日の午前中、造影剤を入れたMRIや、首の周りのMRIを撮影し、そのまま、2度目の診察になだれ込むことになりました。ですので、脳脊髄液減少症かどうか、は、来週、判明します。

「しかし、あなたの症状を聞いた限りでは、少なくとも、キレイな脳脊髄液減少症ではなさそうです。」

キレイな脳脊髄液減少症? いったいなんですか? それは?

「キレイに硬膜に穴が開いて、脊髄液が漏れている方のことですよ。」

ピピッ!!・・・と、いうことは、“キレイではない”漏れ方というのがあるのですね。このとき、とってもいい予感がしたんです。 この先生は、脳脊髄液減少症の専門医なのに、髄液の漏れだけでは、この症状を説明できない、と思っていらっしゃる、と感じてしまったのです。そこで、昨日のお医者さまにもした質問を、また、投げかけてみました。

ブラッド・パッチ、ってどうなんでしょう?

「ブラッド・パッチで、すっかり完治される患者さんも、確かにいらっしゃいます。そういう方は、一度のブラッド・パッチで、3,4日もあれば完治します。でも、それは、キレイな脳脊髄液減少症の方に限られます。一度のブラッド・パッチで、漏れが塞がり、完治するかどうか、こそが、脳脊髄液減少症の確定診断なのです。」

ピピピピピッ!!!・・・ より敏感になっていく聴覚。全神経を耳に傾け、先生の言葉を待ちます。

「うちの病院では、まれに2度、実施するケースもあります。でも、ほとんどは一回だけしかブラッド・パッチをしません。他の病院では、よく、3,4度、実施する方がいらっしゃいますが、あれでは、悪影響しかありません。10ある症状のうち、5つがブラッド:パッチで改善されるのであれば、残りの5つは、脊髄液の漏れではない、別の原因に起因する症状です。」

スゴイッ!! なんて、我が意を得たり、って感じの先生なんだ。

「他の病院では、脳脊髄液減少症では?という患者さんが来ると、MRIも撮らずに、ではブラッド・パッチをしましょう、という処もあるそうです。でも、うちの病院では、脊髄液の漏れがあるかどうか、を、まず綿密に調べます。漏れがない患者さんにブラッド・パッチしても、悪影響しかないからです。」

あー、もう、感動で、気を失ってしまいそう。@@@@で知り合った、難病の治療に心血を注いでいらっしゃる整体師さんと同じような所見を持っていらっしゃる。(←★注釈: 大和魂のことらしい)

もう、西洋医学代表の、ぼくの主治医はこの先生に決定!。本気になって病院行脚をすること8ヶ月。長かった。主治医が、やっと、見付かった。 ではまた来週お願いします。ありがとうございました。と病院を後にしました。

★大和魂

感動を覚えました。冷静に分析し、理屈で割り切れるその医師に!

「キレイな脳脊髄液減少症」=「硬膜に穴」・・「3~4日で完治」 それこそが、「手術器具で穴を開けた事例」と似たものです。出来れば、その病院の名前と医師の名前を教えていただければと思います。その病院でどう判断されるかが「試金石」となるでしょう。一般の低髄患者さんにも、1クッションあった方が良いのです。意固地な人は、そこから先も「病院めぐり」するでしょうが。

ところで、そんなに「穴が開く」事例はあるものでしょうか?本格的に穴が空いてれば、即効で立てなくなる(寝たきり)なので、それこそ、分かりやすいでしょうね・・・何が原因で「キレイな脳脊髄液減少症」になっているのか、それとなく聞き出してもらえませんか? その機会があるのは、今はA・Oさんだけでしょうから。。

☆A・Oさん

病院は、日本@@大学、で、先生の名前は、K村先生です。もう一人、脳脊髄液減少症を診てくださる先生が居て、たしか、T田先生、とおっしゃた筈です。K村先生は、終始、「うちの病院では…。」とおっしゃってらしたので、T田先生も同じ見解なのだと思います、

「穴が開く」事例が多いか少ないかですが、先生は、「典型的な脳脊髄液減少症」とは表現されませんでしたので、少なくとも、「キレイな脳脊髄液減少症」は少数派なのだと思います。すでに、「キレイな脳脊髄液減少症」ではないと診断されてしまったので再度、話題にできるか分かりませんが、次回の7月9日にできれば聞いてみたいと思います。本当に、あの先生が主治医でよかったです。

☆A・Oさん

昨日、再度、日本@@大学付属病院のK村先生に見て戴きました。ぼくは脳脊髄液減少症ではないそうです。MRIでは、脳の沈降も、腫れ上がった部位も見られなかった、と。で、通常の脳脊髄液減少症患者よりも、もっと厄介な患者を扱ってくださる、O森病院の脳神経外科を紹介していただきました。

ここでは、大和魂様のリクエストどおり、いくつか、「キレイな脳脊髄液減少症」について聞き出してきましたので、ご紹介です。

Q1.「キレイな脳脊髄液減少症」と、普通の「脳脊髄液減少症」とは、どの症状が違うのか?

A1.少なくとも、あなたほど気温の変化に弱くはなりません。濡れた洗濯物を触ったり、服を一枚脱いだだけで、吐いてしまう、というのは、この病気では考えられず、その点なら、まだ、慢性疲労症候群の方が、温度変化に弱い方がいらっしゃいます。

Q2.「キレイな脳脊髄液減少症」の、硬膜に穴が開く原因って何が多いですか?

A2.交通事故とは限りません。何が原因で穴が開いたか分からない、という方もいますし、それこそ、あなたがおっしゃるように、くしゃみや、ジェットコースターで、穴が開く方もいらっしゃいます。今まで、何十回、何百回とくしゃみしても平気だったのに、ある日、突然、ひとつのくしゃみで穴が開いてしまうのです。思ったより、簡単に、硬膜に穴は開きますが、なんで開くのかは分かりません。

Q3.「キレイな脳脊髄液減少症」の方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか?
A3.少ないですね。

ということでした。ご参考になれば、幸いです。

★大和魂

ご協力感謝します。Q2の回答については、少々、違和感があるのですが、医師の視点からは真実でもありましょう。

この謎を解くイメージは既にありますが、私の考えがが正しければ、「綺麗な脳脊髄液減少症」の手術後も、大幅な症状改善は事実ながら、それでも不定愁訴や体調不良というものも残っていると考えられます。それでも、「漏れ過ぎ」を食い止めるのは、この場合は適切だと思われます。

しかし、そうであるからと言って、「穴」が開くのではなく、「門」が開くのだという事実は変えられないでしょう。また、大漏れを一時的に止める意味はあるけれど、その後の「圧抜き」すなわち、「筋肉の病変」を改善せねば、根治には至らないでしょう。そこが、手術でうっかり穴を開けてしまった医療事故の場合と違うのです・・・


この記事へのコメント
これこそ まさに 私がかつてこみゅに書いて多くの人たちから反対された内容と同じではないか!
Posted by mrK at 2009年08月07日 20:49
>Mr.Kさん

この情報元の方は専門家でも何でもありません。患者です。
しかし、好奇心と行動力の塊です。

結果、こうした「裏情報」に辿り着きました。
頑なな人ばかりじゃない・・・まだまだ捨てたもんじゃないです。

また、気が向いたら、世直しに協力してください。
Posted by 大和魂大和魂 at 2009年08月08日 00:57
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい