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青森、地方ならでは移動に時間 裁判員候補「疲れた」

裁判員の選任に漏れた後、感想などを語る候補者=1日午後4時30分ごろ、青森市内

 首都圏以外では初となる青森地裁での裁判員裁判を前に、地裁で1日あった裁判員選任手続きには34人の裁判員候補者が出席した。青森は県土が広く、交通網が充実しているとは言い難い。裁判所に足を運んだ候補者らは「時間がかかる」「疲れた」と、地方ならではの苦労や不満を口にした。

 八戸市の会社員男性(23)は、徒歩と電車で約1時間半かけて、地裁に到着した。手続き前に「選ばれたら3日間、ここまで来なければならないのは負担だ」と話し、くじで落選した後は「本当に疲れた」と、ぐったりした様子だった。

 男性は、30人以上が事前に辞退を認められ、呼び出しを取り消されたことについても「不平等に感じる」と、納得できない表情を浮かべながら裁判所を後にした。

 野辺地町の無職女性(69)は約45分間、電車に揺られて青森市にやってきた。車中では「裁判員を務める自信がなく、体力もない。すべてが負担に感じる」と考えていたことを明かした。

 青森地裁は今回、遠隔地から候補者が来ることなどを考慮。公判初日の午前中に選任手続き、午後に審理入りした東京、さいたま両地裁とは異なり、初公判前日に選任手続きを実施した。候補者からは「時間的に楽でよかった」(三沢市の50歳男性)と評価する声が目立った。

 十和田市の管理職男性は「午前中に仕事がこなせて好都合だった」と話すとともに、「選ばれて即審理はつらい。気持ちの準備が必要で、公判日と分けた方がいい」と、精神的な負担軽減の効用も指摘していた。


2009年09月02日水曜日

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