きょうのコラム「時鐘」 2009年9月2日

 戦後、男女共学になった時、教師は戸惑ったという。男女同数のクラスでは女生徒の力が圧倒するからで、男子7に対して女子3でバランスが保てたと聞く。現在でも6対4で釣り合うと見る教師が少なくない

今回総選挙で史上最多54人の女性衆院議員が誕生、当選者に占める割合は11・3%となった。話題を呼んだ若い女性候補の進出を裏付けるが、議場に机を並べる女性議員は10人に1人でしかない

1946(昭和21)年、婦人参政権を得た最初の衆院選で39人の女性が当選した。63年たって石川2区の田中美絵子さんが昭和21年の米山久子さん以来、石川で2人目の衆院議員(参院は除く)になった。富山ではまだ女性衆院議員ゼロのままだ

組閣を前に鳩山民主党代表は「男女の差別なく」と述べたが、実数が少ない女性登用には限界があろう。派手な女性議員の活躍も内実はこの程度である。昔も今も少数の女性が目立ち、多数派の男の影は薄い

バランス感覚も時代で変わるから基準をどこに置くかが難しい。仮に議員が男女半々となれば、とても議場のバランスは保てないと思うが、どうだろう。