2009-02-05 事前運動の禁止
公職選挙法では、立候補届出の前に選挙運動をすることは、事前運動として禁止されています。
これは、常に選挙運動が行われることによる不正行為の発生を抑え、選挙運動を平等にスタートさせることにより、各候補者の無用の競争を避け、選挙運動費用の増加を避けることなどの理由により、禁止しているものです。
なお、立候補の届出前であっても、立候補の準備行為、政治活動などは、原則として選挙運動でなく許されています。ある行為が選挙運動と認められるかどうかは、その行為のあった時期、方法、対象などで、総合的に実体を把握して判断されます。
肝心なのは、「○○さんに投票してください」という行為は、4月5日の公示前は禁止されているということです。
【一般的に事前運動とはみなされない行為】
● 立候補の準備行為
政党から公認を求める行為、立候補の意思を決めるために選挙人の意向を探る行為、名簿の作成、候補者選考会・推薦会の開催、立候補のために供託金を供託することなど。
● 選挙運動の準備
選挙運動費用の調達、選挙事務所を借入れる内交渉、選挙運動員・労務者への内交渉、ポスター・看板等の作成など
政治活動… 地盤培養行為、政策の普及宣伝など
後援会活動… 選挙運動にわたらない政治活動
社交的行為… 通常の一般の範囲 (ただし、寄付には一定の制限があります。)
【政治活動は公示前でも行うことができます】
☆政治上の主義・施策を推進・支持すること
☆各団体として候補者を推薦・支持すること
☆推薦する候補者名を通常の方法で通知すること
通常の方法とは、普段から行っている方法でという意味です。政治活動自体を禁止されている団体では、あくまでも個人として行われなくてはなりません。よって団体のHPに「○○さんを応援しよう!」とか団体内部のメーリングリストに地位や立場を利用して一斉に特定の候補者を支持する旨等のメールなどを出すことは禁じられています。
● 公示前の注意事項
リーフの配布の仕方…不特定多数の方がいる場所で、誰もが持ち帰れるような配布は避けましょう。基本的には手渡しです。
後援会への入会勧誘…「このリーフを見て後援会に加入していただけるかどうかを判断して下さい」という後援会活動はできます。
戸別訪問…後援会活動の一環として、リーフを隣近所や友人知人に渡す行為は許されています。
口頭による投票依頼…「○○さんに投票してください」という特定の候補者名をだすことは、事前運動とみなされます。投票依頼ができないだけです。
※電話やFAXやメールによる投票依頼も事前運動とみなされます。
電話による会合通知…選挙運動にならない、一般的な連絡のためなら許されています。後援会活動による会合通知もできます。
FAXやメールを使った会合通知も同じです。
団体内部向けのインターネットやメールによる会合通知
一般的な団体の場合、選挙運動にならない、普段からインターネットやメールにより告知をしている場合に限り、会合や推薦決定の通知など、認められます。
しかし、政治活動自体を認められていない団体において、当該団体のHPに「○○さんを推薦します!」、あるいはメーリングリストに地位や立場を利用して一斉に特定の候補者を支持する内容のメールなどを出すことは禁じられています。
この場合、あくまでも個人的に、個人のパソコンから個人のアドレスで、自分の友人・知人に親書をだすように告知するということを再確認する必要があります。