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民主が中止公約の2ダム、国交省が予算要求へ

2009年8月31日12時50分

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写真関連工事が進む八ツ場ダム=群馬県長野原町

 国土交通省は31日、民主党が中止を公約している八ツ場(やんば)ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)を建設するための予算210.5億円を10年度予算の概算要求に盛り込んだ。民主党が政権交代を確実にしたことでダム予算の見直しは必至だが、国交省内では中止への慎重論も根強く、今後の火種になりそうだ。

 31日午前の省議で要求内容を決めた。政権交代は確実だが、現時点では麻生内閣が続いており、「特段の指示がない限り、既定方針通りに予算要求するしかない」(国交省幹部)という。省議でもダム予算への異論は出ず、谷口博昭事務次官は「14日以降に組閣が予想されるが、連絡を密にしていきたい」と述べた。

 要求額は八ツ場ダムが194億円(うち国費75億円)、川辺川ダムは16.5億円(同12.3億円)。八ツ場ダムについては、ダム本体の工事費も要求。既に地元が反対を表明している川辺川ダムについては、付け替え道路など本体以外の予算を要求している。

 民主党はマニフェスト(政権公約)で「時代に合わない大型事業は全面的に見直す」とし、八ツ場、川辺川の両ダムの中止を公約。ダムを含む公共事業の見直しで、4年後の公共事業費を現在より1.3兆円削減するとしている。

 国交省は「状況の変化があれば、その変化に応じて対応する」(幹部)と柔軟な構えを見せる半面、佐藤直良・河川局長は「中止する場合、ダムが発揮する事業効果を補う具体的な手段の検討が必要。住民との長年の経緯も総合的に検討する必要が出てくる」と、中止に慎重な姿勢を示している。

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