日銀の白川方明総裁は31日、大阪市内で記者会見し、民主党政権が経済政策の財源捻出(ねんしゅつ)に絡み、日銀に国債購入を求めてきた場合の対応について「金融政策の目的に(財政赤字穴埋めという)疑念が生じると、経済の実態を離れて長期金利が上昇しかねない」と述べた。
民主党の一部で、政権公約の「子ども手当」などの政策の実現で財源が不足する場合、日銀に国債購入を求める案が浮上している。白川総裁の発言はそんな財源穴埋めのための国債買い入れに否定的な考えを示したもの。
民主党政権の誕生については「日本経済の直面する課題の克服に向け、適切な対策を進めることを期待している」と表明。「どのような政権になっても、日銀法の精神に従って意思疎通を密にしていく」と、対話に努める考えを強調した。【清水憲司、久田宏】
毎日新聞 2009年8月31日 20時53分(最終更新 8月31日 23時52分)