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「POMAIKA'I」
新井朋子&アロヒナニ著

美内すずえさんインタビュー 
「祈りを表現していきたい

『Star People』 2003年vol.9 ナチュラルスピリット刊 
取材・文 アロヒナニ

美内すずえさんといえば、大抵の女性は知っているのではないだろうか?
そんな影響力を持つ美内さんが世に送り出した漫画『アマテラス』。漫画という枠を越えて、人間が生きていく上で何が大切なのか、ということに気づかせてくれる。今回は、イメージCDのプロデュースをされた森由里子さんにも同席して頂き、『アマテラス』を描いたきっかけや、CD作成の裏話、そして美内さんの夢について伺いました。

◎幼少時代から神秘体験が多かったんです

――「本当の神様というのは大自然や宇宙、人間や動物や植物を作って生かして下さっている目に見えない何か大きな力のようなものだと思う」というセリフがアマテラスに出てきます。このようなことをいつ頃から考えていらしたのですか。

美内 そういうふうに考えるようになったのは『アマテラス』の連載を開始してまもなくしてからです。作品を描きながら、宇宙や生命について考えることが多くなり、あらためて自然界を見直すと、なんだか宇宙には意志があるように感じられてきたんです。

 それから、子供の頃から神秘体験が多かったので、目に見える世界だけじゃないな、と感じていました。高校3年生の時に、不思議な啓示的な夢を見たんです。当時自分が住んでいた大阪の実家、床屋なんですが、そこの1階の窓のカーテンを開けると、空の4分の3を占めるくらいの巨大なオレンジ色の太陽がどーんと出ていたんです。その巨大な太陽の周りが虹色にばーっと輝いていて、美しいんだけど不気味な光景。そして、虫の羽音一つ聞こえない圧倒的な沈黙だったんです。それを見た時に、地球上の全ての生命が死に絶えてしまった、と思って目が覚めました。それがすごく印象的で、未だに頭に映像があるんです。

それから少し経って、また啓示的な夢を見るんです。自分の家の前に十字路があるんですけど、そこに十字架にかかったキリストみたいに自分が寝転んで空を見てるんです。空を見ていると、金紫色のとても美しい雲の間から、すごく大きなUFOの母船がたくさん現れて、空一面を覆い尽くすんですよ。それを地上から見た時に、畏怖されるようなありがたいような感じで、「ああ、神に出遭うってこんな気持ちなのかな」と。それから「ああ、私達地球人を迎えに来てくれた」と思ったんです。

夢が記憶の産物だとすると、自分の16、17年間の人生の記憶に全くないものが出てきているわけです。それを見た時に強烈な印象が自分の魂に響き渡っているという感じがあったんです。その頃から頻繁にUFOが夢に出てくるようになったんですよね。それと同時に、ムーやアトランティスの伝説を本で読んだのですが、「ああ、これは本当だ」と思ったんです。まだ高校生だったんですが、「今みたいなことをしていたら人類はいずれこんなことになってしまう」と感じたんです。

ただ、私はまだ10代の女の子だったし、漫画を描くのが精一杯で何も出来なくて、でも何かしなくちゃと思っていました。その後にも色々な神秘体験が続くんですけど、その頃から「人間は本当のことに気づかなくちゃいけないんじゃないか」という思いがありました。その本当のこととは何かというと、「目に見えてる世界だけじゃなくて、それを成り立たせている目に見えない精神的な世界があるんだ。その大きな影響の中で生きているんだ」ということです。

――それが『アマテラス』を描くきっかけになったのでしょうか?

美内 1980年に入るちょっと前に、世界平和の祈りに出会ったんです。「世界人類が平和でありますように」というまるで国連の標語のような言葉が町中に貼られていて、それが祈りの言葉だと知ったとき、これなら祈れると思いました。祈りというものが大事なものだとは感じていたんです。世界の人類が根底に持っている願いだから、それを神様にお祈りすることは良いことだと思いました。そのお祈りを始めてほどなくしてから、自分も何かしなくてはいけないと思うようになりました。それまでもずっと思っていたのですけどね。

とにかく子供の頃から神秘体験が非常に多かったのですが、同じような体験をしている人は、たいてい押し黙っている。他の人から非難されることを恐れて口に出せない。「きっと多くの人が体験しているに違いないから漫画に描こう。それと同時に自分の祈りである世界平和をテーマとして表現していきたい」と考えました。漫画であれば誰も非難しないから。でも確実に読んでくれた人の心と魂に届く。それが『アマテラス』だったんです。自分の体験を通して描くものは説得力があると思うんです。

◎今必要なことは、地球環境を大切にし多くの生物と調和をとりながら生きること

――『アマテラス』を読んでいると、神様や人間という存在についてとか、地球上の自然を守る大切さとか、いろんなことをもう一度考えさせられます。

美内 これは私自身が感じていることでもあり、最近多くの人が口にされるようになったことなんですが、地球自体も宇宙の中に生きるひとつの生命体で、そのことをちゃんと認識した上で、人類達は文明を築く必要がある。地球にとってみれば、植物も動物も昆虫も魚もみんな等しく自分の上で生きる生物で、人間だけが特別なわけじゃない。

 今人間に必要なことは、地球が元から持っている生命維持のための環境を大切にして、植物を始め多くの生物と調和をとりながら生きることなんじゃないでしょうか。ただ、今わたし達の築きあげた社会自体がそうなっていない。私自身もその社会の一員で、そのシステムを抜け出せないでいる。悲しいことだけど、でも何とかしたいと思っている。人類全体の大きな意識革命が必要で、その上で人間は新しい社会を創りあげることが大事だと考えています。

――『アマテラス』を読んで、こういう世界もあるんだと認識している人達がたくさんいらっしゃると思うんです。

美内 私みたいなメッセンジャーはたくさんいるんですよね。私がこういうことをしなくちゃいけないと思ったのは、80年に入って間もなくなんですけど、その頃シャーリー・マクレーンさんも『アウト・オン・ア・リム』を書かれたりしていますよね。何か見えない世界からの大きな働きかけがあると思っています。この地球人に対してね。それは、見えない世界の大いなる愛情だと思うんです。『もう一度気づきなさい、目覚めなさい』という。いろんな方達がそういう役割を負ってこの地球上に生まれてきたんじゃないかと思うんですね。

地球人として生まれる時、記憶をなくして生まれてきているけど、何かきっかけがあったら、それを思い出せると思うんですね。その時に何かやろうと、自分本来の使命、役割を思い出して働き始める人が多いんじゃないかと思うんです。マクレーンさんの本もその一つだし、もちろん『アマテラス』もそのひとつだし。そういう役割の人がもっと増えて欲しいなという願いはすごくありましたね。最近はどんどんそういう人や本も増えて、講演会もありますし。もう一度本当の自分を見つめ直そうとか、内的自分との語らいをやるような人が出てきて、「だいぶ変わってきたな、だいぶ動きやすくなってきたな」という感じがしています。

――古事記を題材にしていて、更にムー大陸も出てきますが、それは日本とムー大陸の関連性を感じたからなのでしょうか。

美内 それは感じました。10代の頃、ムー大陸やアトランティス大陸の伝説を本で読み、これは本当だと思ったんです。だから、その記憶を持つ人が結構いるんじゃないかという気がしたんです。そして「人類がこのまま誤った方向に行くと、あの時と同じことになるよ」と言いたかった。「ムーやアトランティスの末期に生きていた人達が再び今現代に生まれ変わって、もう一度あの時の続きをやっている。そして再び失敗したら、今度こそ17歳の時に見た夢の啓示のようなことが起こるかもしれない」ということが言いたかった。

◎言葉とは「透き通った光の波」

――言霊について描かれていますが、漫画の中のセリフ一つひとつに美内さんの魂が刻まれているのかな、と感じます。

美内 『アマテラス』の4巻の中にも描いたんですが、言葉というのは、本当は「透き通った光の波」だそうです。それが本当の光透波(ルビ:ことば)だということを教えてくれた人がいるんです。宇宙はこの光透波がさざなみのように漂っている世界だと。人間だけがこの光透波というものを使えるということを仰っていたんです。透き通った光の波と聞いた時に、これは神のエネルギーだと、あらゆる創造のエネルギーだということに気づいたんです。「波動」。光のバイブレーションですね。

 私自身も、1985年に天河というところに行って、それまでとは違った神秘的な体験をするんです。ダイレクトに目に見えない世界と触れ合うというチャネリング状態が起きて、価値観がガラッと変わりました。漫画を描こうと集中すると、その世界と波長が合うらしくて、メッセージがどーんと来て大変でした。その中で、いろんな事を教えてもらって、導いてもらいました。『アマテラス』を単行本にするために描き直しをした時には、貰ったメッセージも体験したこともダイレクトに描いていきました。だから当初考えていたよりももっと深い世界になっていった気がします。

――スランプみたいなことはありますか。

美内 そういうのとは違うんですが、『アマテラス』と他の作品との作り方というのが全然違うんですよ。漫画としてこう描いたら面白くなる、読者が絶対に喜ぶというのがあるんですね。そのつもりで漫画家としての意識でストーリーを作る。ところが『アマテラス』の場合、いざ原稿に描こうとするとそのストーリーが描けない。どこか自分の奥底で何かひっかかるんです。『アマテラス』の場合は、メッセージを伝えるための何かなので、テーマというか、言いたいこととちょっとでも違うものになるとダメということなんだと思うんです。

 だから、最近は、時が来てないんだな、という気がして放っておくんです。一年、二年経って、また描きますよね。そうすると確かに最初に考えたストーリーが全部ナシになってるんですよ。スランプとかではないんです。描いていいものと、描いていけないものと、どうも天の大プロデューサーがやらせたがっているものがあるんだなという感じがします。

◎天の大プロデューサーが導いたCD作成

*『アマテラス』イメージCDのプロデューサー・森由里子さん同席

――『アマテラス』のイメージCDについて伺いたいのですが、森さんがCDを作りたいと思ったきっかけは?

 漫画を読んで感動したからです。私も小さい頃から不思議な体験があって、こういうことが好きで、漫画を読んでこれは絶対に音楽にしなきゃって思いました。その後に不思議な偶然がいろいろ重なって、すごくとんとん拍子だったんです。それまで美内さんはずっと企画を断っていらっしゃったそうなんです。

美内 今までいろんな所からイメージCD出しませんか?という話があって、何人かお会いして話を聞きましたが断っていました。だけど森さんの企画を読んで、『ああ、わかってるなぁ』という気がすごくして。私が『アマテラス』を描いたように、このCDは彼女の『アマテラス』なんですよ。彼女なりの、いろんな人の気づきのために作り上げた作品だと思うんですね。

 そういう意味で、同じ役割をしているんだろうなぁと思うんです。もちろんこれは森さんのプロデュースですけど、その上に目に見えない天の大プロデューサーがいて働いているとしか思えない気がします。いろんな人が協力をしてくれたんですけど、みんな見えない形での参加が決まっていたんじゃないかなと思いますね。

森 仕組まれたとしか思えないようなことばかりでしたね。

――面白いエピソードがあれば教えて下さい。

 一番すごいのは、天河神社での333の話ですね。民宿で美内さんとお話していた時に、「私、夜中の3時33分になるとふと気が付くんですよ」って言ったら、美内さんが「その頃って“上”とすごく繋がる時間だよ」って仰ったんです。

(注:“上”=高次元の世界)

美内 私も夜中の3時30分頃にふと気が付くという体験が頻繁にあったんですね。サムシンググレイト、偉大なる何者かと交信するのに、この時間が通じやすいのかなと思っていたんですね。

 その後、サウンドプロデューサーの方と3人で録音のために神社に行ったんです。CDに天河の気を取りこむために川の音とか風の音とかを録音していて、神社の宮司さんにご祈願させてもらおうということになったんです。夜中の2時に宮司さんの祝詞をとりたいということで、神殿で録音の用意をして、さあ始めようということになったら、機材が動かなくなったんです。機材については、サウンドプロデューサーの方が全部新しいものを用意して、全部チェックしてたんです。新しく買ったばかりなのになんで動かないんだろうって、焦りました。仕方がないから、私達は休める場所で待ってたんです。

美内 私は焦ってなくて、「絶対3時33分になったら動くよー」なんて。

 「動いたよ」って呼ばれて、神殿に上がって時計を見たら、3時33分で。

美内 私達は時計を見て驚いて。宮司さんが最初にアマテラスのCDの祈願のお祈りをする時に、太鼓をどーんと叩いて、「○年○月○日午前3時33分」って言うんです。その頃にはちゃんと機材も動くんです。時間待ちをしていたんですね。神事が終わった後、宮司さんが奥の院に連れて行って下さいました。天河神社は井戸がご祭神みたいになっている所があるんですが、そこの奥に、神様を祭っている奥の院の御扉があるんです。そこで御扉を開けて下さった。ご開帳ですよね、夜中の4時くらいですけど。そのときパラパラって金粉が降ってきたんです。

 それも、大きいのが! びっくりでした。持って帰りたいくらいでした。

――どこから降ってきたんですか?

美内 空間から。鈴を振りながら、「すごいねぇ」って。宮司さんが奥の院の御扉を開けた時のギーッという音がCDの『岩戸開き』の中に入ってます。そして全てが終わった時に、コケコッコーってニワトリが鳴いたんですよ。アマテラスの岩戸開きにはニワトリが必要なんです。古事記の中にありますけれど、岩戸からアマテラスを出す時には、夜明けを告げる長鳴き鳥(ナガナキドリ)というのを連れてきて鳴かせるですよね。まさにその岩戸開きのシーンになっていたんです。あれは驚いた(笑)。

◎夢を掴む方法とは?

――話は変わりますが、元々漫画家になろうと、夢みていらっしゃったんですか?

美内 そうです、子供の頃から漫画が好きでしたし、赤ちゃんの頃から物語の世界が大好きでした。10歳の時から漫画家を目指して、16歳の時に願望どおりデビューしたんです。

――夢を現実にするために何か実行されたんですか。

美内 手段というのは何もなくて、好きなものをどんどん描いていました。「いろんな人達が喜ぶような漫画を描ければいいな」と思っていたので、そのための努力はしました。根底にあるのは大いなるサービス精神みたいなものですね。高校生になった時から16歳でデビューしようと決めてましたから。高校生になった時に、両親が心配していましたので、「高校2年生の12月31日まで自由に漫画を描かせて下さい。それまでにデビュー出来なかったら就職を考えるから」とお願いしました。高校2年生の時に、運良く集英社の別冊マーガレットで金賞に入って、デビューさせて頂きました。

――夢がない、何をしたらいいのかわからない、何に向いているのかわからない、という人もいます。そういう人達は、どうやったら自分の目指すものを見つけられるのでしょうか?

美内 小さい子供の場合は、親や周りの人がその子の長所を見つけてあげる。その子供が何が好きで、何に夢中になっているかということをよく見て、それが良いものだったらその才能を伸ばしてあげる。どんな子でも何かしら良い所が一個はあるんですよ。一個見つけたら、それを徹底して誉めてあげれば、嬉しいから伸びますよね。人間には本能的な欲望がありますよね、食欲、睡眠欲、性欲、その他にもう一つ、「認められたい欲」というのがあるらしいです。全ての人間は認められたがっている。それは、愛情を欲しがっているんだと思います。自分という人間を認めてくれる愛情を欲しがっている。だから、その本能を満たしてあげるということが大事だなという気がします。

私は漫画家になった時に、自分が何が得意なのか本当はよくわかってなかったんです。プロになったら何でも描けないといけないと思っていたので、いろんなジャンルを描きました。その結果、本当に自分に合うジャンルというものが見つかりました。怖れずに何でもやってみて、自分の中に内在している宝を自分で見つけ出す努力をしてみるのが一番だと思います。まず自分を知るための努力、でしょうか。

――今現在の夢は何ですか?

美内 夢というか、いろいろやってみようと思っています。何か世の中の役に立てないかな、とは思っていますが。今年から流れが変わったなという気がしていまして。2003年から、祈りを形にしていきたいと思っています。祈りを行動で表現できればな、と思っているんです。

そのひとつが葦船のプロジェクトなんです。葦船を作って太平洋を横断しようという計画があるんですが、色んな意味で世界平和に繋がるので、NPOに起ちあげる申請をしています。このプロジェクトでは、水質浄化、世界平和、21世紀を生きる人材育成、の3つを柱にしています。

それから、7月25日に、『水からの伝言』で水の結晶写真を発表されている江本勝氏達がおやりになっている「水への愛と感謝のプロジェクト」があります。今年はイスラエルのガリラヤ湖とドイツのシュタルンベルガー湖、それから日本の琵琶湖の3ケ所を中心に、世界中の水に愛と感謝を捧げるセレモニーを開催する計画を立てていらっしゃいます。私も琵琶湖の方でお手伝いすることにしています。多くの方が参加して下さることを望んでいます。

*美内すずえプロフィール
大阪府出身。漫画家。高校在学中に『山の月と子だぬきと…』が「別冊マーガレット」に掲載されデビュー。76年から「花とゆめ」で連載が始まった『ガラスの仮面』は爆発的なヒットとなる。82年、『妖鬼妃伝』(「月刊なかよし」)で第6回講談社漫画賞受賞。95年には、『ガラスの仮面』で第24日本漫画家協会賞優秀賞受賞。主な作品は、『ガラスの仮面』、『白い影法師』、『黒百合の系図』、『アマテラス』など。精神世界同好会「O-EN NETWORK」を主宰している。

 
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