端正な顔立ちに傷はない。ほとんどパンチをもらわなかった石田は、すがすがしい表情で満面の笑みを浮かべた。「暫定の文字を取らないと…。サインを書く際にも難しいし、説明するのも面倒くさい」と正規王者へ意欲をみせた。
次戦は正規王者ダニエル・サントス(プエルトリコ)との王座統一戦が原則だが、サントスが11月に防衛戦を行う予定で、動向は流動的。陣営では12月28、29日の2日間、大阪市中央体育館を仮予約した。
師走興行の顔として、ファイトスタイルも一変させる。前日の王座決定戦はベルト獲得を優先させ、左ジャブを当てては離れるアウトボクシングに徹したが、初防衛に向けて新王者は、「前に出る方が楽ですから」と重量級ならではの激しい打ち合いを宣言した。初防衛に成功すれば、内藤に次ぐ国内年長記録。円熟の打撃戦で、魅せる。