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落日柔道ニッポン、男子初の金メダルなし

 男子100キロ級準々決勝で敗れ、肩を落とす穴井隆将=ロッテルダム(共同)
 男子100キロ級準々決勝で敗れ、肩を落とす穴井隆将=ロッテルダム(共同)

 「柔道世界選手権最終日」(30日、オランダ・ロッテルダム)

 男女計3階級を行い、男子100キロ級の全日本王者、穴井隆将(25)=天理大職=と女子78キロ超級の塚田真希(27)=綜合警備保障=が銅メダルを獲得した。ともに準々決勝で敗れたものの、敗者復活戦と3位決定戦に勝った。男子100キロ超級の棟田康幸(28)=警視庁=は3回戦で敗退。日本男子は大会が複数階級で実施されるようになって初めて金メダルなしに終わった。五輪でも日本男子はこれまで参加したすべての大会で金メダルを獲得していた。今大会で日本のメダルは女子が金3、銅2、男子は銀1、銅1に終わった。

  ◇  ◇

 遠めの間合いから安易に狙った大外刈りが空を切った。穴井が背中から畳に落ちた瞬間、コーチ席にいた日本男子の篠原監督は天を仰いだ。天理大のまな弟子が、男子100キロ級の準々決勝でミスからまさかの黒星。日本男子の今大会金メダルゼロが決まった。

 以前は技に切れ味こそあるものの防御がもろく、大事な試合で勝てなかった。しかし、北京五輪代表を逃した経験をバネに、力をつけたはずだった。五輪は「見ないと逃げることになると思って」とテレビで観戦し、悔しさを胸に刻んだ。

 ことしの欧州遠征で好成績を残し、大きな期待を受けた全日本選手権では鈴木桂治(国士舘大教)や棟田らを倒して日本一に。「自分がやらなきゃという使命感」を持って臨んだ初めての世界選手権だった。だが「一つのミスで終わってしまう柔道の怖さ」(篠原監督)を痛感した。

 背筋をピンと伸ばして組み、内またを軸に一本を取れる正統派。日本男子の危機は逆に、穴井が新しい顔となるチャンスでもあった。「勝たなきゃいけない」という思いは空回り。畳を降りると思わず頭を抱えた。

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