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【社会】

横浜市選管 システム障害、集計遅れ 投票者数と票数一致せず

2009年8月31日 夕刊

 三十日投開票の横浜市長選と同市関係分の衆院選の開票作業でシステムトラブルが発生し、開票結果と投票率の確定が三十一日早朝まで大幅にずれ込む異例の事態となった。同市選挙管理委員会はパソコンに絡んだ不具合か、人為ミスか詳しい原因を調べている。 

 市選管によると、同市港北区の開票所で三十日午後九時十五分から市長選と衆院選の開票作業を開始。しかし、投票者数の記録が実際の投票箱に入っていた票数より市長選で約四千票、小選挙区で約千五百票多いことが判明。確認に時間がかかり市長選は三十一日午前六時四十四分、衆院選は同七時十八分にようやく確定した。

 同区内の投票所では、開票に先立ち投票者数の記録をパソコンに入力することになっていたが、パソコンが起動しないなどのトラブルがあったという。

 さらに、市内の十八区の選管はそれぞれの開票データを市選管にパソコンで送信することになっていたが、三十日午後十時段階で約半分の区が送信できなくなった。一時間後に復旧したが、市選管の集計に遅れが出た。

 市選管は市長選、衆院選ともに確定作業を三十一日午前一時までに済ませる予定だった。同日朝、記者会見した同市選管事務局の上村啓一選挙課長は「予定の確定時刻より不手際で大幅に遅れ、市民や党関係者、県や国に多大な迷惑をかけました」と謝罪した。

 総務省によると、二〇〇五年の衆院選で茨城県の一部で開票作業が遅れ、確定が翌日午前五時台にもつれ込んだことがあったが、同七時台まで遅れたのは異例という。

 今回のトラブルで全国の衆院選での確定作業が大幅に遅れ、三十一日午前十時を過ぎても確定しなかった。同省は「一自治体がこけると、その県の集計も遅れ、ひいては全国的にも影響を与える」と指摘している。

 横浜市での開票トラブルで、神奈川7区で落選した自民党の鈴木馨祐氏の惜敗率の確定も遅れた。鈴木氏の惜敗率が確定した結果、自民党の比例南関東ブロックで、鈴木氏と最後の議席を争っていた松野博一氏(千葉3区で落選)が復活当選。四百八十議席目の当選者となった。

 

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