「福島交通」(福島市東浜町)は9月1日から、飯坂線(福島-飯坂温泉、9・2キロ)で、自転車を車内に持ち込める「サイクルトレイン」を本格導入する。7月の試行運転が好評だったため、10月予定を前倒しする。県内初の取り組みで、同社は鉄道の活性化策として期待している。
飯坂線は1924年に開業。ピーク時の75年度(同年10月~翌年9月)には約630万人が利用したが、07年度には約267万人に落ち込んだ。同社は08年4月に会社更生法の適用を申請し、今年5月に手続きが終結。6月から新体制の経営が始まっている。
試行運転では152台が利用した。利用者へのアンケートでは「便利なので続けてほしい」「街の活性化につながる」など好意的な意見が多数を占めた。
サイクルトレインは、福島駅発が午前9時半~午後1時50分の11本、飯坂温泉駅発が午前10時55分~午後3時5分の11本。2両編成のうち1両の半分に約10台乗れる専用スペースを設ける。
全12駅のうち、乗降できるのは▽福島▽曽根田▽岩代清水▽笹谷▽平野▽花水坂▽飯坂温泉の7駅。▽美術館図書館前▽上松川▽医王寺前の3駅は降車のみ。
泉と桜水の両駅は、長い階段があるため利用できない。通常料金で、3台以上のグループ利用は事前連絡が必要。
同社鉄道部は「今後は自転車で周遊するためのマップなども作りたい」と話している。問い合わせは同部運輸課(電話024・558・4611)へ。グループ利用の事前連絡は桜水駅(電話024・557・9552)へ。【松本惇】
毎日新聞 2009年8月31日 地方版