【ロンドン=土佐茂生】英国のメディアは、選挙区をルポするなど運動期間中から日本の政権交代に高い関心を寄せ、民主党の圧勝もトップ級で報じた。英国でも来春までに総選挙が行われ、ブラウン首相の人気低迷で政権交代の可能性が高まっていることが、その背景にあるとみられる。
英BBC放送は選挙中に小泉元首相の次男・進次郎氏の選挙区をルポし、開票状況も終日、トップ級で報道。結果について「英国の97年のブレア大勝や、昨年の米国のオバマ現象に匹敵する日本にとって歴史的な瞬間だ」と論評した。一方で、民主党の経験不足にも言及。「課題は、新政権が有権者に約束したような『変化』を本当に実現できるかだ」と注文を付けた。
英タイムズ紙(電子版)は「民主主義の勝利」と題した社説を掲載し、「先進国で唯一、一党支配の政治体制を持つ国が、より正常な民主主義へと進化を果たした」と皮肉交じりに伝えた。
さらに「今回の選挙で重要なことは、有権者がついに不満を反映して政権交代を選んだこと」と指摘し、鳩山氏に素早く政策を実行に移すよう促した。