「民主の風」便乗続々、初耳の団体から推薦状も
衆院選の世論調査などで「民主党優位」が伝えられる中、業界団体などが新たに民主候補に推薦状を出す動きが出ている。
民主党公認候補ではないのに「民主」の文字を強調したポスターを張ったとして、民主党側から抗議を受けるケースも。一方、「劣勢」とされる自民党側は、民主の政策などを強く批判する冊子を作って陣営に配るなどの「ネガティブキャンペーン」を展開。30日の投開票日が迫る中、政権を巡る攻防は激しさを増している。
東北地方の民主候補は地元の食品関連団体から20日付で推薦状を受け取った。これまでなかったことといい、陣営幹部は「地元の歯科医師会や郵政関連のグループなど、今まで自民支援だった団体や名前も聞いたこともない団体が推薦状を持ってくる」と苦笑する。
西日本の国民新党の公認候補陣営では、チラシに「民主党が強力に推薦」と大書し、街頭では「民主推薦」を連呼する戦術。陣営幹部は「勝つために、民主の風を受けたい」ともくろみを隠そうともしなかった。
東京都内の選挙区では、無所属の男性候補が「初代民主党候補」「民主の風を」などと書いたポスターを掲示。同じ選挙区では国民新党の公認候補が民主の推薦を受けており、22日に国民新党と民主党が共同で抗議の記者会見を開く事態に。無所属候補の陣営では「問題ないと考えている」とするものの、その後、別のポスターに張り替えた。
◆自民、政策批判で対抗◆
都内で23日に行われた民主・鳩山代表の街頭演説会場。聞き入る聴衆の間を縫うように、地元の自民候補の運動員が同党本部作成の冊子を配って歩いた。
冊子は表紙に「民主党さん本当に大丈夫?」とあり、民主党の政策への疑問や問題点を指摘する内容。その場にいた民主党関係者からは「ここまでやるのか」と反発する声も出たが、冊子を配った運動員らは「もともとこの時間に(自民の)候補が演説をする予定だった。民主との話し合いで(演説を)取りやめたが、冊子は予定通り配った」と話した。
自民党本部作成の冊子には「知ってビックリ民主党」などと題されたものもあり、この冊子では、民主党と労働組合との関係、政策を巡る党内の意見の食い違いなどを指摘している。自民候補の選挙事務所に積まれたり、戸別に投げ込まれたりしており、同党のホームページでダウンロードできる。
これについて同党政務調査会では「事実を書いたまでのこと」ときっぱり。一方の民主党は「政権党としての品位を汚している」などとコメントしている。
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