比例で復活当選し、目を潤ませて支持者に感謝の弁を述べる野田聖子さん=31日午前0時54分、岐阜市の選挙事務所で
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「多くの優秀な仲間が落選する中、生き残れたことを謙虚に受け止め、新しい自民党をつくる担い手の一人として頑張りたい」。岐阜1区で6選を目指した消費者行政担当相の野田聖子さん(自前)は、民主新人に敗北。比例復活での当選に、表情を引き締めた。
「女性初の首相」候補との呼び声の高い野田さんだが、現職閣僚として臨んだ小選挙区での落選。「前回を上回る支援をいただいたのに、心の底からおわびしたい」と悔しさをにじませた。
4年前の前回は「郵政造反組」として無所属で“刺客”と対決。自民分裂の選挙を制した。「前回の逆風が台風なら、今回はすさまじい竜巻」。復党して公認を得た今回、厳しさは予想を超えた。
足元はぐらついていた。自民支持層を二分した前回選挙のしこり−。野田さんは「解消できた」と強がったが、自民県議が公示直前に民主にくら替えし、比例単独で出馬する事態に及んだ。
学校法人立命館の中高一貫校の誘致問題も尾を引き、岐阜市の自民市議団が真っ二つに分裂。溝が埋まらないまま、選挙戦に突入した。さらに、高齢化する後援会のてこ入れも進まず、支持の浸透に広がりを欠いた。
序盤に劣勢が伝わると、陣営は予定していた県外応援をキャンセル。
終盤には初の自転車街宣に打って出たり、舛添要一厚生労働相ら人気閣僚を次々と投入したりしたが、「竜巻」に向かう余力は残っていなかった。
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