振り込め詐欺:6月以降増加、刑期終えたグループ再活動か

2009年8月26日 11時41分 更新:8月26日 12時14分

振り込め詐欺の月別認知件数
振り込め詐欺の月別認知件数

 減少傾向だった東京都内の振り込め詐欺の認知件数が6月以降、増加に転じている。5月は過去最少の70件だったが、7月には147件に増加。7月は「古典的」なオレオレ詐欺が3分の2を占めていた。警視庁は、5年ほど前に逮捕され刑期を終えた詐欺グループのメンバーが、再び事件に関与しているのを確認しており、捜査を続けている。【川辺康広】

 警視庁によると、振り込め詐欺の月別認知件数は、08年3月の513件(被害総額約8億1000万円)をピークにほぼ横ばいが続き、08年10月から減少傾向にあった。今年5月には統計を取り始めた05年以降で最低の70件(同9700万円)になったが、翌6月には81件(同9700万円)▽7月147件(同3億2400万円)と増加した。8月(24日現在)は81件(同1億2600万円)だが、警視庁は「例年8月の被害は減少する傾向にあり、9月は7月を上回る恐れがある」と警戒している。

 7月は、息子や孫を装い電話をかけるオレオレ詐欺が増加しており、捜査幹部は「振り込め詐欺の被害が出始めた04~05年ごろに逮捕したグループのメンバーが出所し、再び古典的な手口で犯行を重ねている疑いが強い」とみている。

 また、7月下旬からは、「あなたの口座が振り込め詐欺に使われている」「指紋認証のカードに切り替えたほうがいい」と警察官や銀行員になりすまして被害者宅を訪問し、通帳やキャッシュカードをだまし取るなどの事件が16件あり、注意を呼びかけている。

 全国的にも振り込め詐欺の認知件数は6月以降、増加に転じている。警察庁によると、5月は515件(同6億9600万円)で統計を取り始めた04年7月以降最少だったが、7月は前月比70件増の642件(同9億7800万円)で、2カ月連続で増加した。

 警視庁は月間の認知件数を過去最低だった今年5月の水準まで抑え込むことを目標に掲げ、事件に使われる銀行口座や携帯電話の不正売買の温床になっている違法サイト摘発にも重点を置く方針。

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