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イベント・ログをトリガーにしてメールを送信する(基本編)
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解説 |
イベント・ログはWindows OSにおける基本的なログ・システムであり、システム中で発生したさまざまな事象(エラーや警告、情報など)はここに集中して記録される。イベント・ログの内容を確認すれば、例えばハードウェアにエラーが発生したことなどが分かる。Windowsシステムに何らかのトラブルが発生した場合、管理者は真っ先にこのイベント・ログの内容を確認することになる。
だがトラブルが起こった場合に、いちいちイベント・ログを開いて内容を確認するのではなく、エラー・イベントが発生したときに、メールなどで知らせてくれれば便利である。
トラブルの兆候をいち早く把握できるからだ。専用のシステム管理ツールでは、そのような機能を備えたものが一般的であるが、Windows OS標準のイベント・ログにはそのような機能は含まれていない。だがWindows Vista以降のイベント・ログでは機能が拡張され、特定の条件にマッチするイベント・ログが記録されたときにメールを送信する機能が用意されている。本TIPSでは、まずその基本的な使い方として、システム・ログに「エラー」イベントが記録されたときに、それをメールで通知する方法を紹介する。より進んだ条件の設定方法などについては、今後別TIPSで紹介する。
操作方法 |
イベント・ログが記録されたときに、条件に応じてメールを送信する機能は、イベント・ログではなく、タスク・スケジューラで実現されている。タスク・スケジューラでログを常に監視し、新しいログが追加されると、それをトリガー(契機)としてメールの送信タスクを起動するようになっている。以下、その設定手順について順に解説する。
まず[コントロール パネル]の[管理ツール]−[タスク スケジューラ]を起動する([コンピュータ]を右クリックして[管理]を起動してもよい)。
イベントをトリガーにしてメールを送信するには、右側の[タスク]から[基本タスクの作成]か[タスクの作成]をクリックする。前者はウィザード形式で設定するツールであるが、今回は、「エラー」イベントだけをフィルタして取り出したいので、[タスクの作成]を使って、細かく設定してみる([基本タスクの作成]で作成後、タスクのプロパティを変更すれば、同じ結果が得られる)。タスクの作成画面が起動したら、[全般タブ]でタスク名などを設定する。以下、タブを切り替えながら、手動で設定する。
タスクの作成の開始 | |||||||||||||||
[全般]タブでは、タスク名やタスクの実行アカウントなどを設定する。 | |||||||||||||||
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次の[トリガ]タブでは、トリガーとするイベントを設定する。デフォルトでは何も設定されていないので、[新規]ボタンをクリックして、新しいトリガーを定義する。
トリガー条件の作成 | ||||||
この[トリガ]タブでは、メール送信のトリガー条件を定義する。デフォルトでは何も設定されていない。 | ||||||
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[新規]ボタンをクリックすると「新しいトリガ」画面が表示されるので、タスクの開始条件として[イベント時]を選択し、イベント・ログを参照するカスタム・イベント・フィルタを作成する。
トリガーの定義 | |||||||||
ここではカスタムのイベント・フィルタを作成する。 | |||||||||
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[新しいイベント フィルタ]をクリックすると次のような画面が表示されるので、「システム」イベント・ログから「エラー」となっているもの(赤いマークで表示されるイベント)だけを抜き出す条件を定義する。
イベント・フィルタの定義 | ||||||||||||||||||
ここでは、細かい条件を指定してイベント・フィルタを作成できる。 | ||||||||||||||||||
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次は、トリガーにマッチした場合実行される「操作」を定義する。ここではメールを送信してみる。[操作]タブをクリックすると次のような画面が表示されるので、[新規]をクリックして新しい操作を定義する。
操作の定義 | ||||||
トリガー条件にマッチした場合に実行されるアクションを定義する。デフォルトでは何も定義されていない。 | ||||||
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ここではメールを送信するために、「電子メールの送信」を選択し、メール送信に必要な設定を行う。
メール送信操作の定義 | ||||||||||||||||||
ここでは、メールを送信するように設定する。ただし送信できるメールは定型文(+添付ファイル)ぐらいしかカスタマイズ可能な項目はない。件名や本文には日本語も利用できる。 | ||||||||||||||||||
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以上でタスクの作成は完了である。[OK]をクリックして画面を閉じる。タスク・スケジューラの画面に戻り、[F5]キーを押して画面を更新すると(もしくは[操作]メニューの[最新の情報に更新]をクリックする)、次のようにタスクが定義されているはずである。タスクを選択してから[実行]ボタンをクリックし、試しに一回メールを送信させて、正しく動作するかどうかを確認しておく。
作成されたタスクとそのテスト | |||||||||
タスク・スケジューラの画面を更新すると、作成したタスクが表示されるはずである。 | |||||||||
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タスクの実行が成功すると、次のようなメールが受信できているはずである。
受信したイベント・ログのエラー通知メールの例 | |||
タスクの実行が成功すると、このようなメールが受信できるはずである。 | |||
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メールが正しく届かない場合は、タスクの実行が失敗していないかをイベント・ログやメール・サーバのログで確認する。
テストが成功したら、次はイベント・ログにログを作成させて、メールが送信されるかどうかを確認しよう。コマンド・プロンプト上でeventcreateコマンドを利用すると、任意のイベントを記録させることができる。これを実行して、メールが自動的に送信されることを確認する。このコマンドの詳細については、TIPS「イベント・ログに任意の文字列を出力する」を参照していただきたい。
イベントの手動作成 |
コマンド・プロンプト上でeventcreateコマンドを実行すると、任意のイベントを作成できる。これはシステム・イベント・ログに、ID=1として、「エラー」イベントを書き込む例。 |
以上で、イベント・ログをトリガーとしたメール送信の基本的な設定は完了だ。しかしこの機能では、メールの件名や本文を動的に生成/変更することはできず、常に固定文面のメールしか送信できないようである。以上の設定で運用すると、非常に多くのメールが送信され、重要なメールが埋もれてしまう可能性がある(もともとイベント・ログには、無視してもよいイベントが記録されていることも多い)。
実際に運用する場合は、イベント・ログのソースやIDなどでさらに条件を絞り込んで、本当に大事なものだけを送信させる必要があるだろう。その方法については今後別TIPSで紹介する。
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「Windows TIPS」 |
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