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【政治】

民主、308議席を獲得 自民181減、空前の大敗

2009年8月31日 03時13分

議席数を大幅に伸ばし、インタビューで笑顔を見せる民主党の鳩山由紀夫代表=30日午後10時31分、東京・六本木の民主党開票センターで

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 政権交代が実現する−。第45回衆院選は30日、投開票が行われ、全議席が確定した。民主党が大躍進し、地滑り的勝利を収めた。鳩山由紀夫代表は9月中旬に召集見通しの特別国会で第93代首相に指名され、新政権が誕生。日本の政治を長期にわたって担当してきた自民党は16年ぶりに下野する。民主党の獲得議席は単独過半数の241議席を超え、一党としては戦後最多の308となった。鳩山氏は31日未明の記者会見で「政権交代を選んだ国民に感謝したい。官僚主権の政治から、国民主導になるかが今後、問われる。利権にまみれた古い政治にさよならする」と勝利宣言した。自民党は1955年の結党以来初めて第一党の座から転落する大敗となり、麻生太郎首相は自民党総裁を辞任する意向を表明した。公明党は太田昭宏代表、北側一雄幹事長がそろって落選する大打撃となった。

 また、鳩山氏は社民、国民新両党と連立政権を組む意向をあらためて示し、31日から両党と具体的な協議を進める考えを示した。閣僚人事については「首相指名の後に一気に決めたい」と述べた。

 民主党は円滑な政権移行に向けて、麻生政権側と協議したい考えだ。

 民主党は政権交代を前面に出した選挙戦を展開。子ども手当の新設や税金の無駄遣い一掃を柱にしたマニフェストが浸透し、前回2005年の衆院選で惨敗した都市部や、自民党が本来強い地方でも支持を広げた。小沢一郎代表代行は「自公の国民生活を軽視した政治に対する批判は全国で強かった」と勝因を語った。

 自民党は政権担当能力と景気対策の継続を訴えたが、自民党支持層離れを止められず、海部俊樹元首相、笹川尭総務会長、中川昭一前財務相ら首相経験者やベテランの落選が続出。過去最低だった93年の223議席を大きく下回った。

 麻生首相は30日夜、「自民党に対する不満をぬぐい去れなかった。景気対策が道半ばになり、断腸の思いだ。(敗北の)責任を負わなければならない」と述べた。

 自民党は今後、後継総裁選びを本格化させるが、党の立て直しに向けて地方の声も反映させるため、党総裁選は9月末にずれ込む見通しだ。

 首相は30日夜、細田博之幹事長らと首相公邸で会談。細田氏ら党執行部はそろって辞任する意向を首相に伝えた。

 公明党は太田、北側両氏のほか、冬柴鉄三元国土交通相が落選するなど、小選挙区に出馬した8人が全員落選し、公示前31議席から大きく後退した。太田氏の代表辞任は避けられない情勢だ。

 小選挙区の平均投票率は推計69・29%。小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降、最高だった前回の67・51%を上回った。

(中日新聞・東京新聞)

 

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