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衆院選:民主圧勝 財界、政治支援のあり方 見直し必至

 民主党の圧勝は財界にも衝撃を与えた。とりわけ、保守合同で自民党を生んだ財界にとって、自民一辺倒の支援や企業献金のあり方の見直しは必至だ。企業経営者は民主党の政策変更を見極めようと、様子見の姿勢も強い。

 「恐ろしい。2大政党制ではなく一党独裁体制にならなければいいが」。財界首脳は30日夜、東京都内の自宅で自民党議員の落選を伝えるテレビ画面を見つめながらつぶやいた。日本経団連は55年5月、保守合同を促す決議を採択。その年結成した自民党に対し、企業による政治献金を「自由経済体制の保険料」と位置づけ、物心両面で支えてきた。今回の有権者の審判は55年体制を担った自民党と「その生みの親」である経団連に変革を促したと言える。

 個々の経営者の間では「政治はそんなに大きく変わらないだろう」(大手商社首脳)と冷静な見方は少なくない。しかし、財界には「自民も民主も保守政党」(財界幹部)という現実認識から、「エゴで動く団体と思われているのは経団連が反省すべき点。我々の意識も変わらないといけない」(経団連幹部)と意識改革の必要性を強調する声も聞かれる。

 経済団体はこの日相次いでコメントを発表し、経団連の御手洗冨士夫会長は「国民が強く変化を求めた結果だ」とし、自民党に対しては「引き続き建設的な役割を果たしてほしい」と求めた。経済同友会の桜井正光代表幹事は「健全な議会制民主主義のためには自民党の再生が不可欠」と指摘。日本商工会議所の岡村正会頭も「結果を真摯(しんし)に受け止め今後も国家国益のために力を尽くしてほしい」と自民党の再生による2大政党制の確立を求めた。

 経団連は9月中旬に民主党政権に向けた初めての提言書をまとめる。経済同友会は経営者を対象に企業献金のあり方についての意識調査を始める。政権交代が来年の経団連など各団体のトップ人事に影響を及ぼすことも予想され、有権者の審判が財界に突きつけた課題は大きい。【三沢耕平】

毎日新聞 2009年8月30日 23時28分(最終更新 8月31日 0時48分)

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