第45回衆院選は30日に投票、即日開票された。民主党は単独過半数の241議席を大きく上回る見通しで、政権交代が確実になった。9月中旬にも開かれる特別国会で鳩山由紀夫代表が首相に選出され、社民、国民新両党との連立内閣が発足する。共同通信社が全国で実施した出口調査によると、民主党は最終的に300議席を超える勢い。自民党は過去最低の223議席を下回る歴史的惨敗を喫し、100台を割り込む公算が大きい。野党第1党が選挙で過半数を取り政権を奪取するのは戦後初。自民党は1955年の結党以来、初めて衆院第1党の座から転落する。「官僚主導の打破」を掲げる民主党は、従来の政と官の関係を大きく変える方針で、日本の政治システムは一大転機を迎えることになる。
鳩山氏は30日夜の記者会見で「国民の思いがかなり結実しそうな状況になった。国民の大変な励ましに感謝したい」と事実上の勝利宣言をした。
政府筋は与党が過半数を割れば、麻生太郎首相は自民党総裁も辞任せざるを得ないと指摘。自民党の細田博之幹事長ら党三役と幹事長代理は首相に引責辞任する考えを伝えた。
与党に強い逆風が吹く中で公明党も苦戦、特に小選挙区は軒並み厳しく、選挙前の31議席から大きく後退する見通し。共産党(選挙前9議席)は横ばい。社民党(同7)は小選挙区を中心に数議席を上積みする情勢。国民新党(同4)は比例代表で伸び悩み、議席を維持できるか微妙だ。みんなの党(同4)は比例代表を中心に議席増の勢い。改革クラブ(同1)は苦戦。新党日本(同0)は小選挙区で議席獲得の可能性がある。
総務省によると、期日前投票をした人が過去最多の1398万人超と、前回より約502万人増加。共同通信社が午後9時現在で集計した推定最終投票率は69・52%で、前回の67・51%を2ポイント程度上回る見通しだ。
全国11ブロックの比例代表で、民主党は過去最高の計85議席前後を獲得する勢い。自民党は前回の77議席から激減、50前後に落ち込む可能性がある。公明党も前回の23議席に届きそうにない。共産、社民両党は堅調。みんなの党は複数の比例ブロックで議席を獲得しそうだ。
31日午前3時半ごろには小選挙区300、比例代表180の全480議席が確定する見込み。今回は小選挙区と比例代表を合わせて1374人が立候補した。
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