2009年8月24日0時15分
最高裁裁判官の国民審査に向けて、朝日新聞社を含む報道各社は、対象となる9人の裁判官に対して共通アンケートを実施しました。回答の全文は次の通りです。(文意を損なわない範囲で、表現の一部を変えています)。
アンケートの質問項目は次の通りです。
(1)最高裁裁判官としての信条、審理にあたっての心構えは。最高裁の仕事の印象や、難しさを感じる点は
(2)国民が裁判所の最も期待している役割は何と考えるか
(3)最高裁裁判官に求められる資質は何と考えるか。最高裁裁判官の出身母体の割合は現状で妥当と考えるか。自分が入ったことで、最高裁は何か変わったと思うか
(4)有権者はどのような点を判断基準に信任・不信任を判断して欲しいか
(5)信任する裁判官に○をつけるのではなく、不信任の裁判官に×をつけるという、現行の国民審査についての考えは
(6)裁判所、特に最高裁の説明責任についてどう考えるか。裁判所と国民の距離を近づける意味で、判決後や定例の記者会見を行う考えはあるか
(7)裁判員制度が始まった。裁判官と裁判員にそれぞれ期待されることは何か。制度自体への期待や意見は
(8)最高裁が実施した意識調査で、国民の8割近くが裁判員制度に消極的な考えを示し、「義務でも参加したくない」という人が4割近くいた。この数字をどうみるか
(9)量刑を決めるうえで、裁判員にはどんなことを心がけて欲しいか
(10)裁判員裁判では、死刑を検討する際の「永山基準」の適用が難しくなるとの指摘があるが、どのように考えるか
(11)裁判員制度に向け、メディアの事件報道について意見はあるか
(12)死刑制度をめぐり、一部の国会議員が廃止を訴え、超党派のグループが「終身刑」の創設を目指している。死刑制度や終身刑創設についての考えは。また、死刑想定事件の審理や死刑判決の言い渡しに望む際の心構えは
(13)裁判の迅速化について所感を。裁判迅速化法の目標実現に向けて、最も必要なことは何か
(14)「最高裁は違憲審査権の発動に消極的」との批判について、どのように考えるか。また、憲法裁判所の創設についての賛否や、憲法改正論議についての感想を
(15)「足利事件」は再審開始決定され、再審で無罪になることが確実視されている。誤判が起きた理由について、裁判所として検証すべきだと考えるか。また、検証する場合はどのような形が適切と思うか
(16)「足利事件」では自白の取り扱いも問題となり、日弁連などは取り調べの全面可視化を求めている。導入すべきだと考えるか
(17)尊敬する人物と、その理由は
(18)趣味は何か。また、好きな言葉、座右の銘は
(19)最近読んで感動した本、面白かった本は
(20)これまでかかわった裁判、事件のうち、最も記憶に残っているのは何か
(21)最高裁裁判官はハードな職務だが、普段から気をつけたり、心がけたりしていることはあるか
(22)司法に期待されている役割を最も実現したと感じる、過去の最高裁判決や決定は何か