ノムさん　３・５差タカ見えた　仙台に大台風が来る

　勢いがある。地力がある。運まで味方につけている。楽天がロッテのまずい守備に助けられて、今季６度目の４連勝を決めた。貯金を５月３０日以来の「４」に伸ばした野村監督は、うなるように振り返った。

　「不思議な勝ちじゃん。今年はこういう勝ちが多い。何かある」

　捨てる星があれば、拾う星もあり。勝利につながるレールを、相手外野陣に敷いてもらったような試合だった。

　最初の幸運は３回２死一塁でめぐってきた。渡辺直のライナーを、右翼の大松が突っ込んで後逸（記録は三塁打）。同点に追いつくと、続く鉄平の二塁打で勝ち越した。６回１死二、三塁では、リンデンの平凡な飛球を左翼の竹原がグラブに当てて落球。決勝点が転がり込んだ。先発の長谷部はこの日を含めて３試合続けて打ち込まれたが、チームはすべて逆転勝ち。野村監督は「明日も先発させるか。すぐに代えればいいだろ。明日も長谷部でいきます」と白い歯を見せた。

　苦手のロッテを２試合続けて１点差で退け、これで６カード連続勝ち越し。８月の月間貯金は「１０」まで膨らんだ。昨季失速した夏場の快進撃に、野村監督は「台風の予兆か。今年の秋は仙台に大台風が来る。気をつけた方がいいぞ」。ジョークもさえてきた。４位の西武とは３・５ゲーム差。２位のソフトバンクには３・５差と迫った。後ろの走者の姿がかすみ、前の背中が見えてきた。風はいま、確実に楽天に追い風になっている。　（永山陽平）