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【万物相】家電大国コリア

 昨年11月、アメリカのサンクスギビング・デー連休初日に、ニューヨーク州ロングアイランドにある米最大手スーパーマーケット「ウォルマート」で、店員が買い物客の下敷きになり死亡する事故が起きた。店の外で特別セールの開始を待っていた客約2000人は、午前5時の開店と同時に、せきを切ったように店内になだれ込み、これを規制していた店員の一人が群集に踏み倒され、死亡したのだ。この日、殺到した買い物客のお目当ての品は、サムスン製の50型プラズマ高精細度テレビ(HDTV)や、サムスン製10.2メガピクセル・デジタルカメラなどだった。

 米メディアは「あきれた事故」と報じたが、韓国系の人々にとっては、「韓国製の家電製品がアメリカ人消費者の間でどれだけ人気があるか」を実感させる出来事でもあった。数千人が前日から店外に徹夜して並ぶほど欲しがっていたものが、韓国製品だったというわけだ。海外市場で「メード・イン・コリア」の電子・家電製品が二束三文扱いされていた1990年代中盤には、想像すらできなかった状況だ。

 1990年代はじめ、サムスングループのイ・ゴンヒ会長はアメリカのある店でショックを受けた。サムスン製品がソニーや東芝といった日本製品に押され、片隅でほこりを被っていたからだ。イ会長は帰国するやすぐにサムスン電子の役員たちを呼びつけ、しっ責し、「骨身を削る改革」を指示したという。日本でもかつて、サムスンやLGの製品は地方のディスカウント店の「低価格品コーナー」にしかなかったが、90年代末になってようやく、東京・秋葉原の大手量販店の店頭に並び始めた。

 アメリカの市場調査機関「JDパワー」が昨日発表した家電製品5種類に対する消費者満足度調査で、サムスン電子は冷蔵庫・洗濯機・乾燥機の3種類で、LG電子はオーブンレンジなどの調理機器でそれぞれ1位に選ばれた。特に、サムスン製の冷蔵庫は1000点満点の834点という高い評価を獲得、5年連続でトップの座を守っている。今や「メード・イン・コリア」の家電は、確実に「ブランド」の仲間入りを果たしたといえる。

 アメリカ最大の電子製品販売店「ベスト・バイ」のホームページで最近、生活家電のお勧め・人気商品リストに上がっているのも、サムスンやLGの製品だ。電子製品専門店でも、ソニーの製品を後ろに追いやり、一番目立つ所に陳列されている。ウォールストリート・ジャーナルは「この10年間で半分になった家電製品の買い換え周期にすばやく対応し、革新的なデザインや最新機能を絶えず取り入れたのが、消費者の心を捕らえた」と分析している。日常生活に密接な家電製品は、製造国のイメージに大きな影響を及ぼす。日本と中国狭間で、一時は致命的な状態にあった韓国製家電製品のルネサンスは、世界の人々の視線を改めて韓国に向けさせている。

イ・ジュン論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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