熊本県は20日、県の公共事業費の一部を地元の市町村が負担する「市町村負担金」について、県職員の人件費など工事外の負担金を2010年度から原則として廃止し、制度を抜本的に見直すと発表した。
蒲島郁夫知事は同日の定例記者会見で「(全国知事会が)国に直轄事業負担金廃止を求めていることを踏まえ、県内でも地方分権を進める。全国知事会の議論のモデルケースにしたい」と述べた。
全国知事会は7月、都道府県が国事業の一部経費を負担する国直轄事業負担金の廃止を求めるとともに、市町村負担金も見直す方針を申し合わせている。熊本県は「市町村負担金の見直しを具体的に打ち出すのは、全国で初めてではないか」としている。
見直しの内容は、職員の人件費や出先機関の庁舎維持管理費など事務費の負担金(1億3千万円程度)と、県道の修復など維持管理費の負担金(1億3千万円程度)を原則廃止。事業に市町村の意見を反映させるため、県と市町村との協議の場を設置する。市町村の負担割合も検証し、「必要に応じて見直す」としている。
熊本県によると、09年度当初予算で市町村負担金の対象となるのは63事業。総事業費357億2500万円のうち、負担金は計38億4700万円を占めている。
=2009/08/21付 西日本新聞朝刊=