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高宗、 安重根救出のため密使を派遣(下)

日本、安重根事件の背景として高宗に注目

 この日の報告書は、特に「排日の本元はもちろん、韓国皇帝だという。一昨年、京城および平壌から多数の人々がやって来て排日を勧めたのも、宮廷から資金が支給され、このころから当地の居留民会および新聞社が漸次勢力を得ており、昨年10月のハルビンでの凶変事件も、宮廷から煙秋(クラスキノ)のチェ・ジェヒョンの家に扇動してきたものだ…」と記し、安重根の背後勢力として高宗に注目した。

 一方、曾禰荒助朝鮮統監が小村寿太郎外務大臣に送った10年1月8日付の別の報告書は、安重根を救出するために雇われた中国・上海のイギリス人弁護士ダグラスの弁護費用を、高宗の側近であるミン・ヨンイク、ミン・ヨンチョル、玄尚健(ヒョン・サンゴン)が負担したと記録している。

 このように、高宗が派遣した二人の密使は沿海州の韓人を相手に安重根の支援を訴えるなど救出作業に乗り出し、ダグラス弁護士も旅順の法廷に出廷したが、外国人だとの理由により弁論を拒否され、最終的に安重根は死刑の判決を受けた。

 李泰鎮教授は「これらの密使は、高宗が1902年に韓国国内での秘密情報活動と海外情報収集のために設立した情報機関・益聞社の要員だったと推定される。機密報告書は、高宗が沿海州に建設した抗日独立運動基地を背景にハルビン義挙が行われ、日本側がこうした事実に注目していた可能性を示唆している」と語った。

キム・ギチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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