August 02, 2009

知られざるイルカ漁の実態を暴露: The Cove

クジラ肉食べたことありますか?

実は私は、生まれて一度もないんです。たぶん1980年以後に生まれた世代は、クジラを食べたことがない人が多いはず。学校給食にも出てきたことなかったと思います。

クジラ漁、イルカ漁に関する話で、先日公開されたドキュメンタリー映画、The Cove が大きな反響を呼んでいる。映画が取り上げているのは、和歌山県太地町の入り江で行われているイルカの囲い込み漁。海が血で染まるほどの虐殺の様子を報道している。

この入り江は、有刺鉄線と注意書きで「部外者」を閉め出し、警察も関与しているというから、公表できないイルカ漁の実態があるのだろう。この潜入調査に乗り出したのが、The Cove の監督 Louise Psihoyos で、ハイテク機器を導入して実態の暴露を試みる。

太地町の入り江を取材したイルカのトレーナー Ric O’Barry は、日本で毎年23,000頭のイルカが殺されていると話している。イルカは市場に出され、一頭 USD150,000 で取引きされる。暴力団との関係にも言及している。

日本は 1986年に  International Whaling Commission (IWC) の商業捕鯨の禁止条約に批准しているが、イルカは対象外であり、現状ではイルカ漁を取り締まる条約がない。

さらに、クジラとイルカには大量の水銀が含まれていることから、食用が問題視されている。一部のイルカ肉は、クジラ肉と偽装されて市場に出ているそうです。

ワシントンDC日本大使館の Izumi Yamanaka 氏の声明によると、太地町のイルカ漁は伝統的な食文化であり、文化の違いを認識することの重要性を訴えている。

当地の食文化を維持するのに、なぜ何万頭も捕獲が必要なのでしょうか…?

問題は、この映画の日本での配給が決定していないことです。情報が知らされるべき場所で知らされないというのは、本当に残念です。

関連記事
http://www.reuters.com/article/entertainmentNews/idUSTRE56U54920090731

関連サイト
http://www.savejapandolphins.org/index.php







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この記事へのコメント

1. Posted by 風   August 24, 2009 19:01
3 通りすがりで失礼します。私伊豆在住ですが伊豆でもイルカ漁があり、普通にチェーンスーパーでイルカ肉が売られ、地元の人は当たり前に食します。昔からそうです。これの何がいけないのかわかりません。むやみに大量虐殺しているわけではありませんが、好奇の目で撮影したり作業を妨害する動物愛護団体等ははた迷惑なので取材を制限する事もあるそうです。別に公表できない実態とかは無いはず。北海道ではアザラシや熊も食べますし、反捕鯨のオーストラリアでは鯨はダメでもイルカやカンガルーを食べます。小型のクジラ類をイルカと呼んでいるだけなのに矛盾してます。韓国では犬を食べます。ヨーロッパでもイルカを食する国は多々あります。ライターさんなら一度牛豚等の屠殺場を見学する事をおすすめ致します。
2. Posted by Ken   August 25, 2009 19:27
風さん

初コメントありがとうございます。伊豆でもイルカ漁あるんですね。知りませんでした。昔からやっていることであれば、全て肯定していいのでしょうか?
Psihoyos氏が映画で問題視しているのは、動物愛護ではなく、クジラとイルカに含まれる水銀の問題です。水俣病の原因物質です。クジラとイルカは生態系ピラミッドの上位に位置するために、水銀含有量が極めて高く、これらの食肉は人間に有害であると、Psihoyos氏は指摘しています。
屠殺場を実際に見学したことはありませんが、機会があればぜひ取材してみたいと思います。
3. Posted by 風   August 26, 2009 10:32
3 頭が良く人なつこいイルカを食べるなんて野蛮だ虐殺だ、と訴えている映画だと思っていましたが、水銀の事を問題にしていたのですか。それは知りませんでした。誤解していました。
他国民の健康を心配してくれるPsihoyosさんはいい人ですね。
4. Posted by 小芋ちゃん   August 28, 2009 16:53
水銀の問題を告発するのが目的ならば「虐殺」などと表現する必要性は皆無な筈ですが・・・w

こういった「他人の健康を気遣うポーズで自分の目的を達成しようとする」態度はいつも哀れなほど言い訳染みていて厭き厭きですが、よしんばそれが本当の目的だったとしてイルカ肉由来の疾病報告が今の今まで一件も報告されていない、という事実はどの様に受け止めておられるのでしょうか?

フェロー諸島における出生コホート研究
http://www.chef-project.dk/PDF/JpnJEnvSci.pdf

↑は孤島ゆえに畜産等が殆ど出来ず、蛋白源のほぼ全てを魚介と「歯鯨(要はイルカです)」で賄ってる、太地などより遥かに鯨肉消費の多いデンマークフェロー諸島での十数年に亘る医療調査結果報告ですが、水銀その他汚染物質による健康影響を見つけられないまま調査終了しています。
因みにイルカを食料とする国はこれ以外にもフィリピン・インドネシア・台湾やカリブ小国等に多数存在します。
コレはフェロー捕鯨の様子を含む欧州の映像↓

http://www.youtube.com/watch?v=mdud3nu_FZo

長くなったので一度きります。

5. Posted by 小芋ちゃん   August 28, 2009 16:53
続きです。

つい先頃イギリスメディアによって同フェロー諸島民のイルカ食による健康被害報道が有りましたが、
カルテはおろか、仔細な検証を示す論文すら提示されておりません。
如何にも愛護国家新聞社の飛ばし記事、といった感じですねw

>当地の食文化を維持するのに、なぜ何万頭も捕獲が必要なのでしょうか…?

とありますが、何頭までなら「文化」でOKですか?
因みに「イルカ漁」は日本全国合計で2万頭程度で、
その多くは岩手県での捕獲です。太地の分だけなら精々が千頭ちょっとだったかな?

何れにせよこの映画が「可愛いイルカを食用対象にして殺すなんて許せない!!」なんて世界中のイルカ愛護さん達を焚き付けるのが目的なのは明らかなので簡単に騙されないでね?という事です♪
6. Posted by 小芋ちゃん   August 28, 2009 17:05
ちょっと訂正。

>↑は孤島ゆえに畜産等が殆ど出来ず、蛋白源のほぼ全てを魚介と「歯鯨(要はイルカです)」で賄ってる、太地などより遥かに鯨肉消費の多いデンマークフェロー諸島での十数年に亘る医療調査結果報告ですが、水銀その他汚染物質による健康影響を見つけられないまま調査終了しています。

フェロー「諸島」なので「孤島」はおかしかったなw

デンマーク本土から遠く離れてて、農業・畜産用の土地に乏しい島、という事です。

他の蛋白源摂取が多い日本人のイルカ漁地域での摂食量は恐らくフェロー平均の数分の一になるかと思いますが、それでも妊婦さんなど一部注意が必要な人達には政府から摂食指導がなされております。

さて一体ナニが問題なんでしょうか?w
7. Posted by ken   August 30, 2009 05:04
小芋ちゃん
すばらしい初コメントありがとうございます。議論を止めてしまわないように、無知無関心にならないようにするのが本ブログの目的でもあるので、貴重なコメントだと思います。

ご指摘があった点に回答します。
「虐殺」という表現ですが、私は英語から翻訳しただけですので、責任回避させていただきます。
genocideという表現をあえて使うのは、もちろん愛護団体を含め、大衆の関心と支持を得るためです。「かわいいイルカちゃん達を殺すなんて何てひどいことをするんだ」的に見せないと、イルカ肉を食べない大多数に水銀の問題を伝えても、あまり意味がありません。大衆が集まらないと政治は変わらないですから。

出生コホート研究について、レポートも一見正確なものに見えますが、何しろ私はその分野の専門家ではありませんので… 
リサーチの問題は時間と費用がかかるところにあります。国が補助金を出すとなると、このリサーチが、果たしてメチル水銀のリスクの有無を調査するものなのか、それとも始めからリスクがないことを立証するための調査だったのか。疑い出すと切りがない世界ですが。

まだ一件も疾病報告がないそうなのですが、なぜでしょうか? もみ消されたのかも知れません。私にはわかりません。
8. Posted by ken   August 30, 2009 05:06
続きです。

何頭までなら「文化」でOKか?
紛らわしい表現だったので、書いたことをちょっと後悔しています。
1頭もだめです。私個人の意見としては、国際世論の高まりを見せる今、世論を敵に回してまで維持する価値があるのか疑問です。

最後に、私が最も問題だと感じるのは、この映画の正当性にかかわらず、日本で公開される見込みがないということ。論には反論があって当然です。でもそれすら出来ない、知らされない状態が一番問題だと思います。
9. Posted by 小芋ちゃん   August 30, 2009 10:38
>genocideという表現をあえて使うのは、もちろん愛護団体を含め、大衆の関心と支持を得るためです。

その「支持」は「日本市民の健康を守る為」の支持ではなく、イルカの捕殺を止めさせる為だけに集められる物です。

>「かわいいイルカちゃん達を殺すなんて何てひどいことをするんだ」的に見せないと、イルカ肉を食べない大多数に水銀の問題を伝えても、あまり意味がありません。大衆が集まらないと政治は変わらないですから。

それこそが「他人の健康を気遣うポーズで自分の目的を達成しようとする」という事なんですけどw

Kenさんはライターを目指してらっしゃるようですが彼等海外の「イルカ漁を泣きながら止めようとしてる人達」が日本の一地方住民の健康を本気で心配してると思ってるんですか?
だとすれば随分お目出度い、としか言い様が有りませんw

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=5354

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/01/h0116-4.html

マグロの最高値が総水銀値・メチル値共にイシイルカ・コビレゴンドウを超え、バンドウイルカに迫ってますが、消費量を考慮すれば「マグロ漁反対」になる筈ですよね?
因みにバンドウ漁獲は全イルカ肉の1割以下で残りは太地流通分を含めて汚染の少ない岩手などのイシイルカが殆どです。(続きます)
10. Posted by 小芋ちゃん   August 30, 2009 11:09
(続き)
更に付け加えると、日本人年間一人当たりのマグロ類消費量は4キロとも7キロとも言われていますからより多くの人達に高い健康リスクを与えてるのはマグロという事になりますが、彼等活動家は「日本人の健康の為にマグロ漁を止めろ!!」と泣いて訴える事はしません・・・一体何故でしょうか?w

>リサーチの問題は時間と費用がかかるところにあります。国が補助金を出すとなると、このリサーチが、果たしてメチル水銀のリスクの有無を調査するものなのか、それとも始めからリスクがないことを立証するための調査だったのか。疑い出すと切りがない世界ですが。

確かにこの研究は日本主導で行われたものですが、同じ魚食民族で日本よりも遥かにイルカ肉消費の多いフェローでの実態を調べる事で魚介の健康影響を知るのが目的です。
健康影響の調査自体は反イルカ漁の国・団体も自由にやっていいんですが何故やらないんでしょうか?
日本に都合のいい結果を導く為にデータ改竄等を疑うのであれば独自調査でそれを証明すればいいだけの事です。(続きます。字数制限が小さいので不便ですね)
11. Posted by 小芋ちゃん   August 30, 2009 11:20
(続き)
>まだ一件も疾病報告がないそうなのですが、なぜでしょうか? もみ消されたのかも知れません。私にはわかりません。

一体「誰が」もみ消すんでしょうか?
そんな疑いを持つのであればフィリピン・インドネシア等東南アジアやカリブなど世界中の色んな地域で行われているイルカ食での疾病報告が世界中でただの一件も無い理由を貴方に説明付けられますか?
全てその国の自治体や政府がもみ消したとでも?w

また、アザラシ等の海生哺乳類摂取が多いイヌイットの髪の毛等に海獣由来の水銀蓄積が「多い」という報告はありますが、それらにしてもフェローの研究報告書にしても「疾病報告」ではアリマセン。ココを混同して騒ぎ立てる馬鹿が多いので・・・

このあたりの食習慣が矢鱈と「環境保護」団体・動物愛護団体のターゲットになりやすいのは「海獣の特別視・シンボル化」が70年代以降意図的に推し進められてきた結果です。↓

<スーパー・ホエール − 環境保護運動における作り話とシンボルの利用>

http://luna.pos.to/whale/jpn_hna_super_w.html
12. Posted by 小芋ちゃん   August 30, 2009 11:37
(続き)
>1頭もだめです。私個人の意見としては、国際世論の高まりを見せる今、世論を敵に回してまで維持する価値があるのか疑問です。

「日本人の健康を気遣うフリをする」のが「国際世論」ですか?w
唯の一件も疾病報告の無い日本一国市民への「健康懸念」が「国際世論」な訳が無いでしょう?大丈夫ですか?

これで貴方がライターを目指してらっしゃる、というのが不思議なんですが、「世論」の目的は「日本人の安全」ではなくて、「イルカを殺させない事」です。
ココを混同してしまって「彼等が健康懸念が目的だと言ってるから!!」とそれを鵜呑みにしてしまう人に公正な判断が可能とは思えません。
物事の表面以外全く見ていない、という事ですから。

食文化・食習慣とは他者に害の無い限りはその人達自身の判断で維持継続がなされるべきものです。
「可愛いイルカちゃんを殺すのは許せない!!」なんて価値観でそれを止めさせる事が出来ないと彼等「国際世論」の側も知ってるからこそ「水銀が危ないから!!」と「他人の健康を気遣うポーズ」をとらざるを得ない、という事です。
13. Posted by 小芋ちゃん   August 30, 2009 11:54
(続き)
>最後に、私が最も問題だと感じるのは、この映画の正当性にかかわらず、日本で公開される見込みがないということ。論には反論があって当然です。でもそれすら出来ない、知らされない状態が一番問題だと思います。

コレには殆ど同意見ですが、配給会社も政府にも、馬鹿馬鹿しくて相手にしていられない、という感情があるんじゃないかな、とも思いますw

所詮が「イルカを守りたい!!」という動機しか持たない連中の、この場合「偽善」でも「独善」でもない、「イルカの特別視」という、

「自分達の趣味・価値観だけに基いた『悪行』」

が「告発」の体裁を持ってプロパガンダされてるんですからねぇ・・・

私の様にこうやってネット上でこの映画の可笑しな部分を逐一ソース付きで指摘出来るのならば現地の方達が不当な批判や風評に悩まされる事も無いでしょうが、貴方の様に彼等の表面的な主張を鵜呑みにしてしまって簡単に騙されてしまう日本人も数多く居るでしょうし・・・

少なくともネット上で大きな話題になればこの映画の製作意図が如何に歪んでいるのか、という事が事細かに議論されるでしょうから「日本での劇場公開」にこだわる必要もないと思いますよ?

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