2009年8月30日3時1分
「運転してはいけない時間」のアンケート結果
死亡事故につながりかねない飲酒運転について、厚生労働省研究班が全国規模で実施した初の調査結果がまとまった。男性では3割以上が「飲酒運転をしたことがある」と回答。お酒が体内で分解される時間についての誤解が目立ち、自覚がないまま飲酒運転をしている人が多数いるとみられている。
昨年6〜7月、無作為に選んだ全国の20歳以上の男女7500人に質問し、4123人から有効回答を得た。これまで、飲酒運転で免許を取り消された人らを対象にした調査はあったが、一般住民を対象に全国規模で聞いた例はないという。
飲酒運転の経験があるとしたのは回答した男性の32%で平均年齢53歳。7%の人が検挙された経験があった。女性の経験者は8%で平均43歳。
飲酒運転で2回以上検挙されたことがある男性では、68%の人が週に5日以上飲酒し、32%は1回に飲む量が日本酒に換算して3合以上(アルコール60グラム以上)だった。飲酒運転をしない人ではそれぞれ31%、8%。ふだんからたくさん飲む習慣が飲酒運転につながりやすいという傾向がはっきり出た。
呼気1リットル当たりのアルコール量が0.15ミリグラム以上になると、酒気帯び運転に問われる。道路交通法によるこうした規制以前の問題として、飲酒の影響が残る間は運転をしないのが当然だ。
お酒が分解される時間は体格や体質によって違いがあるが、一般的には1時間当たりアルコール5グラムほどとされている。医学的には、25度の焼酎を3合飲んだら、その後約22時間は運転すべきではないと言える。だが、飲酒運転経験者では平均約13時間、経験がないとした人でも平均約16時間たてば、運転は可能になると誤って答えていた。
研究班は「夜にたくさん飲んでも、朝になればお酒が抜けていると誤解し、自覚がないまま飲酒運転している例が少なくないはず」とみる。