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【政治部デスクの斜め書き】まもなく開く「パンドラの箱」 不信の原因は「自民の姑息さ」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:衆院選
これに対し、民主党への期待は高まっていった。現状を変えてほしいという期待が高まったと言う方が正確かも知れない。民主党の内政・外交政策の危うさは誰の目にも明らかだし、「党首力」にしても、民主党の鳩山由紀夫代表が麻生首相よりそれほど勝っているとは思えない。「とにかく一度やらしてみたらいいじゃないか」。そんな思いが次第に大きな潮流となっていたが、内紛に明け暮れていた自民党議員は濁流に呑み込まれる直前までその深刻さに気付いていなかったようだ。
だが、「一度やらせてダメならば変えればよい」と考えているならば、「それは甘い」と言わざるを得ない。民主党が苦労して勝ち取った政権をそう簡単に手放すはずはなく、外交・安全保障も、社会保障政策も、国の統治システムも今後数年で大きく変質していくことは覚悟しなければならない。
ギリシャ神話では、パンドラという名の美しい娘が「開けてはいけない箱」をつい開けてしまい、世界中に災いをふりまいた。ペローの童話「青ひげ」では、新妻が夫の留守中に「絶対開けてはいけない部屋」を開け、殺されそうになる。日本の「鶴の恩返し」や「浦島太郎」も似たようなストーリー展開だ。
「開けてはいけない」と言われれば言われるほど中をのぞいてみたくなる。それが人の性(さが)なのだ。「政権交代」も同じで、もはや開きかけた箱は閉じることはないだろう。ただ、古今東西の寓話で、箱を開けてハッピーエンドで終わることはほとんどない。せめて中に「希望」が残っていたらよいのだが…。(石橋文登)
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