新型、最大で全国民の30%が発症も―厚労省
厚生労働省は8月28日、各都道府県に事務連絡を行い、新型インフルエンザの大規模な流行に備えた医療体制の確保を呼び掛けた。この中で「新型インフルエンザの流行シナリオ」を示し、全人口の20%から30%が発症するとの試算を明らかにした。
【関連記事】
「新型」超過入院の診療報酬上の取り扱いで事務連絡―厚労省
インフル定点当たり「2.47」、推計15万人―8月17−23日
「新型」治療、抗ウイルス薬のガイドラインを公表―感染研
舛添厚労相「夜間診療時間の延長」要請へ
「ハイリスク」の基礎疾患は?―ワクチン接種で意見交換会
流行シナリオは、通常の季節性インフルエンザのデータや、新型インフルエンザのこれまでの知見を基に作成。「発症率」「入院率」「重症化率」について、対策を推進する上で基準となる「中位推計」と、地域性による幅を加味した「高位推計」を示している。
発症率は、通常の季節性インフルエンザの2倍程度、全国民の20%とした。最大では30%としたが、都市部ではさらに高くなる可能性があると指摘した。入院率は、6月20日−7月24日に全数調査で確認された4220人のうち、53人が入院の適応と診断されたことを踏まえ、1.5%と試算。基礎疾患を有する人に感染が拡大した場合には、さらに上昇する可能性があるとして、2.5%を高位推計とした。また、7月29日−8月18日の入院患者320人のうち、6歳未満が20.0%(64人)、6−15歳が47.5%(152人)を占めていたことから、通常のインフルエンザとは異なり、小児入院患者が多いことに留意する必要があると強調している。重症化率については、感染が高齢者にまで広がる可能性を考慮して、中位推計を0.15%とした。高位推計は、基礎疾患を有する人などに感染が広がる危険性を指摘して0.5%とした。
これらの推計を基に流行のピーク時を想定すると、発症率が20%の場合、1日当たりの新規の発症者数は76万人、入院患者数は4万6400人になるという。
厚労省は流行シナリオについて、現時点での情報に基づいて示すものであり、新たな知見が得られれば随時更新するとしながらも、これを参考にして、地域の実情に応じて必要な医療提供体制の確保を進めるよう求めている。
更新:2009/08/28 21:56 キャリアブレイン
新着記事
コメディカルの役割拡大へ、厚労相の検討会が ...(2009/08/28 22:33)
「新型」で肺炎診療の留意事項を事務連絡―厚 ...(2009/08/28 22:26)
新型、最大で全国民の30%が発症も―厚労省(2009/08/28 21:56)
注目の情報
[PR] 医師の転職ならCBネット
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第76回】中村春基さん(日本作業療法士協会会長) 6月に日本作業療法士協会の新会長に就任した中村春基さんは、作業療法士は利用者の「やりたいことを、実現する」職種だと言う。作業療法士にとって大切なことは、利用者に現在行っている治療や訓練がその人の生活にどういう意味があるかを理解してもらうことだと強調 ...
日原診療所(島根県津和野町)の須山信夫院長は、大学病院から中小病院、診療所と、これまで3つのステージで医療に携わってきた。高齢者が多かったり、大学病院時代に診療した経験のない小児科の患者がやってきたりと、地域医療に携わり始めた当初は大学病院との違いに戸惑ったというが、今では地域ならではの面白さも感 ...
WEEKLY