現在流行している新型インフルエンザの致死率は季節性インフルエンザよりも高く、1957年に流行が始まり世界で約200万人が死亡した「アジア風邪」並みの0.5%程度とする研究結果を、オランダ・ユトレヒト大の西浦博研究員(理論疫学)らのチームが17日までにまとめた。米国とカナダでの流行初期のデータを解析した。近く米科学誌プロスワンに掲載される。
研究チームは、米国の5月1日までと、カナダの6月10日までのデータを基にして致死率を計算。すると、米国では0.21〜3.76%(平均1.2%)、カナダでは0.05〜0.41%(平均0.2%)との結果が出た。
データの特徴を詳細に検討したところ、米国では実際より少し高く、カナダでは低く推定された可能性があり、0.5%と推定されたメキシコの推定値とほぼ同等と考えられた。季節性の致死率は0.1%かそれ未満とされており、新型は季節性より高く、0.5%のアジア風邪並みと推定されるという。〔共同〕(07:00)