ビジネスはもちろん、プライベートにおいても私たちに欠かすことができないインフラであるインターネット。世界中のコンピュータがネットワークによって接続されたインターネットには、膨大な量の情報が公開されているが、その中から必要な情報を探し出すことができる検索サービスを中心に、インターネット上でさまざまなサービスを提供しているのが「Google」だ。
ケータイも私たちにとって、欠かすことができないものだ。通話やメールといったコミュニケーションは元より、インターネットに接続して、さまざまなコンテンツを閲覧したり、情報にアクセスするなど、ビジネスでもプライベートでも大切なパートナーとなっている。
今回、ドコモから発表されたHTC製端末「HT-03A」は、「ケータイするGoogle™」というキャッチコピーからもわかるように、Googleが提供する多彩なインターネット上のサービスをケータイで利用できることを実現した端末だ。普段、パソコンで利用している「Google 検索」をはじめ、GPSを利用して地図や風景が表示できる「Google マップ™」や「Google マップのストリートビュー」、世界中で公開されている動画コンテンツが楽しめる「YouTube™」、大容量のメールが保存できる「Gmail™」などをモバイル環境で手軽に利用できるようになるわけだ。
また、「HT-03A」はGoogleが新たに開発した携帯電話用プラットフォームである「Android OS」を国内向けとして初めて採用しており、世界中のソフトウェアベンダーやユーザーが開発したアプリケーションやツールを「Androidマーケット™」を通じてダウンロードし、インストールすることができる。つまり、「HT-03A」にあらかじめ搭載されている基本的な機能を活かしながら、自分の使いやすいようにカスタマイズしていくことができるわけだ。
インターネット接続については、ドコモの「FOMAハイスピード」に対応し、対応エリア内では受信最大7.2Mbps(※)のパケット通信が利用できる。IEEE802.11b/g準拠の無線LANにも対応し、オフィスや家庭内の無線LAN環境では高速通信も利用可能だ。どちらの環境でもWebページの閲覧だけでなく、Googleが提供する多くのサービスをより快適に使うことができる。ちなみに、パケット通信についてはドコモが2段階のパケット通信料定額制サービス「Biz・ホーダイ ダブル」を提供しており、最大5,985円(税込)/月までに抑えることが可能だ。「HT-03A」を安心して利用するためにも加入しておくことを強くおすすめする。
通信及び通話については3GとGSMの両方式に対応しており、「WORLD WING」による国際ローミングも利用可能だ。海外渡航時も国内と同じようにGoogleの多彩なサービスが利用できるのは、ビジネスパーソン以外にもうれしいところだ。ただし、海外利用時のパケット通信は前述の「Biz・ホーダイ ダブル」の対象外となるので、その点は注意しておきたい。
(※)下り最大7.2Mbpsの通信速度とは、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。利用環境・混雑状況で異なります。
5月19日のドコモの報道発表以来、ユーザーの高い関心を集めている国内初の「Android OS」搭載端末「HT-03A」だが、外見から順にチェックしてみよう。
まず、ボディは前面にディスプレイとトラックボール、ボタン類を備えたストレート型に仕上げられている。幅約56mmのボディは通常デザインのケータイに比べ、数mmほど広いが、スマートフォンとしてはスリムな約14mmの厚みと背面側のラウンドした形状とも相まって、手にフィットする非常に持ちやすいデザインにまとめられている。
ディスプレイは320×480ドットのハーフVGA表示が可能な約3.2インチTFTカラー液晶を採用するが、デスクトップ画面はパソコンの仮想スクリーン機能のように、横に3つ分の画面を並べたサイズになっており、画面を左右に切り替えることが可能だ。
ディスプレイ下にはトラックボールやボタン類が並ぶ。トラックボールは画面のスクロールやカーソル移動に利用するもので、「BlackBerry® Bold™」などと同じように、トラックボールを押下して、決定操作をするときなどにも使う。ボールサイズは他機種のものに比べ、わずかに大きく、操作感は非常に快適だ。
トラックボールの左上には家のアイコンがプリントされた[ホーム]ボタン、[menu]ボタン、[開始]ボタンが並ぶ。[ホーム]ボタンは待受のデスクトップ画面を表示するもので、長押しをすると、起動中のタスク一覧が表示され、切り替えることができる。[menu]ボタンは起動中のアプリケーションや表示中の画面で利用できるメニューを表示するもので、通常のケータイで利用する[サブメニュー]などに近い感覚で利用する。トラックボールの右上には[クリア]ボタン、[サーチ]ボタン、[終了]ボタンが装備されている。頻繁に利用するのは[クリア]ボタンで、こちらも通常のケータイの[クリア]と同じような感覚で使える。[終了]ボタンは通常のケータイと少し趣が違い、起動中のアプリケーションや機能を終了するのではなく、そのままの状態で画面ロックモードへ移行する。画面ロックから復帰するときは[menu]ボタンを押すしくみだ。
本体周囲では左側面に着信音量や受話音量を調節するボタン、底面には充電などに利用する専用ミニUSBポート、背面に約320万画素カメラが装備されている程度で、全体的にスッキリとした持ちやすいデザインにまとめられている。ちなみに、パッケージにはFOMA用ACアダプタを専用ミニUSBポートに接続するための変換アダプタが同梱される。
ディスプレイは静電容量式のタッチスクリーンを採用しており、トラックボールなどを除き、ほとんどの操作はタッチ操作を使うが、デスクトップをはじめ、画面に表示されるアイコンは比較的大きめにデザインされているため、タッチ操作そのものには慣れることができる。
気になる文字入力についてもタッチ操作を使うが、検索ボックスなど、文字入力が必要な場面では文字入力エリアにタッチすると、ダイヤルキーと同じ配列のソフトウェアキーが表示され、ケータイと同じように読みを入力する。予測変換にも対応しており、表示された予測候補から変換したい文字を選んで、入力するしくみだ。日本語入力環境については、国内向けのケータイでも採用例が多いオムロンソフトウェアの「Wnn」をベースにした「iWnn」が搭載されており、学習や単語登録に加え、日本語と英語のユーザー辞書、連絡先データの読み込みによるユーザー辞書追加などの機能も備える。
入力する文字モードは画面左下の[文字]キー(ソフトウェアキー)にタッチすると、ひらがな→英字→数字の順に切り替えることができる。[文字]キーを長押しすると、ダイアログボックスが表示され、カタカナなどの固定入力にも切り替えられる。同じダイアログボックスでキーボードのアイコンをクリックすれば、表示されるソフトウェアキーをQWERTY配列のフルキーボードに切り替えることも可能だ。フルキーボードのソフトウェアキーは画面サイズも限られているため、キートップがやや小さめだが、パソコンのキー配列に慣れているユーザーにはなじみやすい。ちなみに、キーボード周りについては、キー操作に合わせて、ボタン音を鳴らしたり、バイブレータによる振動でタッチを知らせたりするなど、カスタマイズも可能だ。
「HT-03A」は「ドコモプロシリーズ」にラインナップされる端末のひとつだが、ユーザーとして気になるのは、Googleがインターネット上で提供する多彩なアプリケーションやサービスが利用できることだろう。
まず、ホーム画面には「電話」「ブラウザ」「地図」「マーケット」のアイコンが並び、デスクトップの下の方にはメニュー画面を表示するためのタブがレイアウトされている。メニュー画面はタブを画面の上方向にドラッグすることで表示される。
デスクトップの上部にはGoogleの検索ボックスが表示されており、検索ボックスにタッチして、気になるキーワードを入力すれば、ブラウザが起動し、パソコンで利用しているときと同じように、すぐに検索結果が表示される。ブラウザは画面描画も高速で、トラックボールとタッチスクリーンによる操作で快適に使うことができる。「HT-03A」には端末の向きを感知する加速度センサーが内蔵されているため、ブラウザは縦方向だけでなく、横向きに持ち替えれば、表示も自動的に横向きに切り替わる。Googleの検索結果のページのように、あらかじめモバイルモードで表示されるWebページもあるが、通常のパソコン向けWebページであれば、画面をタッチすると、ページの拡大・縮小、全体表示を切り替えるアイコンが表示され、タッチして切り替えることができる。
「地図」はパソコンでもおなじみの「Google マップ」で、本体に内蔵されたGPSを使い、現在地を測位して、地図を表示することもできる。地図モードはパソコン版の「Google マップ」と同じように、一般的な「地図表示」、上空からの写真を表示する「航空写真」、上下左右360度の映像が確認できる「ストリートビュー」が用意されている。
なかでも「ストリートビュー」は、「HT-03A」ならではの使い方が用意されている。「ストリートビュー」を表示している状態で、「コンパスモード」をONに切り替えると、端末に内蔵されている地磁気センサーと連動し、端末の向きに合わせて、「ストリートビュー」の表示を上下左右に動かすことができる。「HT-03A」を手に持ち、その場に居合わせるような感覚で、「ストリートビュー」の画面を確認できるわけだ。地図を確認するだけでなく、出発地と到着地を指定して、目的地までのルートを検索することも可能だ。
「Google マップ」 |
航空写真もパソコンと同様に利用できる |
「ストリートビュー」は、端末内蔵の地磁気センサーと連動して動かすこともできる |
地図だけではなく、ルート検索も利用できる |
「マーケット」は「HT-03A」が採用する携帯電話用プラットフォーム「Android OS」に対応したアプリケーションを入手するためのもので、起動すると、ジャンル分けされたアプリケーションの一覧から選ぶことができる。前述のように、「Androidマーケット」には世界中のソフトウェアベンダーやユーザーが作成した「Android OS」対応アプリケーションが公開されており、これらを自由にダウンロードして、インストールすることができる。当初は先にサービスが開始されている英語版のものが中心になるが、「HT-03A」が発売されたことで、今後は日本語対応で、日本のユーザーのニーズに合ったアプリケーションが登場することが期待される。ちなみに、アプリケーションについては無料のものと有料のものが公開されているが、有料のアプリケーションを決済するには、Googleが提供する決済サービスの「Google Checkout」に登録する必要がある。
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「電話」は、「HT-03A」から音声通話で発信するときなどに使うもので、ダイヤルボタンのソフトウェアキーが画面に表示される。タブを切り替えることで、発着信履歴から発信先を選んだり、連絡先を参照することができる。連絡先はGoogleが提供するメールサービスの「Gmail」の連絡先と連動しており、「HT-03A」で入力した内容はパソコンで「Gmail」のページにアクセスしたときも利用できる。
出荷時はホーム画面に「電話」「ブラウザ」「地図」「マーケット」のアイコンと検索ボックスが表示されているが、他のアプリケーションのショートカットやウィジェット、フォルダをデスクトップに貼り付けておくこともできる。頻繁に利用するアプリケーションなどを登録しておくと便利だが、前述のようにデスクトップが3画面分あるので、それぞれのスペースをうまく活用するようにしたい。
メールについては、Googleが提供する「Gmail」、POP3/SMTP及びIMAP4対応のメール、FOMAで提供されているSMSを利用することが可能だ。これらの内、「Gmail」については専用のアプリケーションが用意されており、「HT-03A」に直接、自動的にメールが届く。「HT-03A」のメールアプリケーションも新着メールを5分/10分/15分/30分/1時間の間隔で自動確認する機能が搭載されているが、オフィスやプロバイダのメールを「Gmail」に転送しておけば、常に最新のメールを「Gmail」で受信し、返信が必要なメールについては「HT-03A」のメールアプリケーションを利用するといった使い分けも可能だ。ちなみに、「Gmail」には強力な迷惑メールフィルタが装備されているので、「HT-03A」ではメールを安心して利用することができる。
同じくGoogleが提供するサービスとして、広く利用されているものに「Google カレンダー™」があるが、もちろん、これも「HT-03A」ではカレンダーアプリケーションとして利用できる。「Google カレンダー」は言わば、インターネット上に登録するスケジュールソフトで、ブラウザがある環境なら、どこでもスケジュールが登録でき、登録した内容は「HT-03A」のカレンダーアプリケーションに反映される。スケジュールは公開・非公開を選ぶことができ、家族や友だちと共有するといった使い方もできる。
インターネットを利用してのデータ共有では、カメラで撮影した画像をGoogleが提供する写真共有サービス「Picasa™」にアップロードして、共有するといった使い方もできる。カメラで撮影したものがムービーであれば、Googleが提供する動画サイト「YouTube」に簡単にアップロードすることも可能だ。
さらに、「HT-03A」オリジナルとして、「ポケット羅針盤」というアプリケーションも用意されている。羅針盤は地磁気センサーや加速度センサーを活用したアプリケーションで、コンパスや水平器、星空観賞、ランドマークなどを楽しむことができる。この他にもmicroSD™カードに保存した音楽データを再生できる「音楽プレイヤー」など、便利な機能が搭載されている。
「HT-03A」オリジナルアプリケーションの「ポケット羅針盤」。コンパス・水平器・星空観賞・ランドマークなどが楽しめる |
私たちの生活やビジネス、プライベートシーンにおいて、欠かすことができないインターネットとケータイ。インターネットにおいて、Googleはユーザーがインターネットをより有効に活用できるようにするため、検索サービスだけでなく、「Gmail」や「YouTube」、「Google マップ」、「Google カレンダー」など、実用的かつ多彩なサービスを提供している。ただ、これらのサービスの多くは、基本的にパソコンでの利用を前提にしており、外出先や移動中はモバイルノートなどを使うしかなかった。
しかし、今回発表された「HT-03A」は、Googleが新たに開発した携帯電話プラットフォーム「Android OS」を採用することにより、Googleが提供する多彩なサービスとの連動を実現している。スタイリッシュなボディと革新的なユーザーインターフェイスを合わせ持つ「HT-03A」は、今までのケータイとは明らかに一線を画したインターネットと非常に親和性の高い環境を作り出すことに成功している。「Androidマーケット」では世界中のソフトウェアベンダーや個人ユーザーが参入し、より多くの優秀なアプリケーションが登場することが期待されている。ケータイの利便性は十分に理解しながら、普段、パソコンで利用しているインターネット環境をうまく活用し、数多くのGoogleサービスも存分に活用したいというユーザーなら、「HT-03A」はぜひとも試してみて欲しい端末だ。さまざまなカスタマイズをくり返しながら、自分ならではの一台へのカスタマイズを実現して欲しい。
※Google、およびGoogleロゴ、Android、Androidロゴ、Google マップ、YouTube、YouTubeロゴ、Gmail、Androidマーケット、Google カレンダー、PicasaはGoogle Inc.の商標または登録商標です。
※HT-03Aは、ソフトウェアのアップデートなど一部自動的に通信を行う仕様となっております。このため、「Biz・ホーダイ ダブル」などのパケット定額サービスのご利用を強くお奨めします(なお、「Biz・ホーダイ ダブル」ご契約の場合、短期間で上限額に達します)。また、海外でのご利用などにより従量制対応アクセスポイントに設定変更されたまま帰国されますと、自動でソフトウェアのアップデートが行われた際にパケット通信料が高額になる場合がありますので、必ず帰国前にBiz・ホーダイ定額対応アクセスポイントに設定変更してください。