2009年7月23日
梶芽衣子さん主演の「女囚701号 さそり」(72年)をリメークした「さそり」に主演し、香港の現場で激しいアクションシーンに挑戦した水野美紀さん。アクションもこなせる女優として、さまざまな現場で引く手あまただが、映画やドラマに出演するだけでなく、最近は舞台公演にも精力的に取り組み、エッセーを連載するなど幅広く活躍している。オフは「本を読んだり、芝居を見に行ったり」と仕事とつながりのあることに時間を費やしているという。エッセーを書くのは仕事の一部だが「お芝居とは違い、素の部分で表現できるのがいい」と話す。【細田尚子】
水野さんのオフの過ごし方は「家で本を読んだり、DVDを見たりして過ごすのと、芝居やライブを見に出掛けるのと半々ですね」という。07年に脚本家の楠野一郎さんと演劇ユニット「プロペラ犬」をつくり、舞台にも力を入れている水野さん。好きな劇団は「ナイロン100℃」(KERAさん主宰)や「大人計画」(松尾スズキさん主宰)だといい、「(公演に)行ける時は必ず見に行くようにしています」と話す。ライブは「来年出演するお芝居でちょっとバンドとかからんでくるのがあるので、アンテナを張って意識的に見に行くようにしています」と話す。先日は大槻ケンヂさんらが所属するロックバンド「筋肉少女帯」のライブを見に行ったという。
外出先で芝居や音楽に触れる一方で、自宅では読書やDVD観賞、エッセーを書いてて過ごしている。本は「マンガやエッセー、小説も読みますし、ノンフィクションも読むのでその時によって違います」と幅広い。最近、一番面白かったのは「ホラーマンガ家の伊藤潤二さんが飼い猫との生活をマンガにした『猫日記よん&むー』(講談社)。ホラーじゃなくてエッセーマンガなんですけど、たまにホラーテイストの絵が入る。そこが面白いんです。お風呂の中で読むのに(長さが)ちょうどよかった」という。小説は、女性作家・小川糸さんの「食堂かたつむり」や、お笑い芸人の前田健さんの初小説「それでも花は咲いていく」などが面白かったと語る。
本を読む一方で、自身でも書いており、サイトで楠野さんと連載した劇団設立の奮闘記「プロペラ犬の育て方」(創英社)を08年11月に出版した。現在はOCNのサイトで「二度見して思うこと」など月に2本の連載を担当している。「いままでやったお芝居を振り返って書いたり、普段感じたことを書いたり。書くのは楽しい。自分の思いついたことを、フィルターを通さずにそのまま表現できるのがいいですね」と笑顔を見せた。「お芝居は役を想像して作っていく感じですけど、書くのは素の部分で表現する。(素が出るので)面白いものを見つけたり、感じたりすることに敏感になりますね。『これ、ネタにできるな』って。ネタを探して、普段からアンテナが広がった感じがします」といろいろなことを面白がる自分を発見したようだ。
そんな水野さんは、女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)として「それぞれが楽しいことに割く時間を作ることじゃないかなと思います」と語る。「私は本を読むのが好きだとか、芝居を見に行くのが好き、写真を撮るのが楽しいというのがあるんですけど、それぞれがこれを見るとワクワクする、ここに行くと楽しいとか、心に響くものが何かあると思うので、そういう楽しいと思う時間を作ることだと思います」と力を込めた。
<プロフィル>
1974年6月28日、三重県出身。87年にデビュー。ドラマ「踊る大捜査線」(97年、フジテレビ系)の柏木雪乃役で人気に火が付き、その後、「彼女たちの時代」(99年、同)、「ビューティフルライフ」(00年、TBS系)、「恋人はスナイパー」(01年、テレビ朝日系)など話題作に多数出演。映画では94年、SMAP主演の「シュート」に出演、以来「ガメラ2 レギオン襲来」(96年)、「図鑑に載ってない虫」(07年)、「真・女立喰師列伝」(07年)、「あの空をおぼえてる」(08年)、「ジャージの二人」(08年)などに出演。アクションもこなせる女優として幅広い作品で活躍している。梶芽衣子さん主演で70年代に映画化された「女囚701号 さそり」をリメークした主演映画「さそり」は8月8日から銀座シネパトス(東京都中央区)ほか全国で順次公開予定。9月12日からBunkamuraシアターコクーン(東京都渋谷区)で上演される蜷川幸雄さん演出の舞台「ザ・コースト・オブ・ユートピア ユートピアの岸へ」に出演する。
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