国連本部(CNN) 国連安保理外交筋は28日、中東のアラブ首長国連邦(UAE)当局が7下旬、ロケット弾、信管や弾薬など北朝鮮製の武器を積んだ貨物船を拿捕したとの事実を明らかにした。目的地はイランだったという。
安保理は今年6月、北朝鮮による2度目の核実験実施などを受け、北朝鮮による武器輸出などを対象にした制裁決議を採択しているが、同決議に基づく船舶拿捕は初めて。兵器類は、油田掘削機器と偽装された箱の中に入っていたという。
核関連物質の有無は不明。北朝鮮とイランはミサイル開発などでの協力関係が指摘されている。
UAEは8月初旬、拿捕を安保理に報告していた。同国の港に投錨した貨物船を調査したところ、武器を発見したという。決議では、これら押収品の処理はUAEに委ねられる。同貨物船はバハマ船籍で、フランス企業のオーストラリア子会社が保有。積み荷は中国に事務所があるイタリア企業が輸出元になっていた。
安保理外交筋は今回の拿捕について、北朝鮮制裁決議に対する国連加盟国の真剣な対応を意味するとして歓迎している。
制裁決議に基づく北朝鮮貨物船の問題では今年6月下旬、大量破壊兵器関連物資を積んでいる疑いがあるとして米海軍艦艇が1週間以上にわたって北朝鮮貨物船カンナムを中国南部沖などで追跡。ミャンマー(ビルマ)に向かっているとされたが、追跡を受け航行を断念したともされ、北朝鮮に帰港したことが分かっている。