1999年08月28日
第５３６話「卒業、そして、想いの行方L」
テーマ：卒業、そして、想いの行方
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【その他の外伝シリーズ】
浅井武勇伝(R指定）
現在、第１～５話を連載中デス。
（内容）
浅井先生が生徒と××しちゃったお話しとか、
女の子のバイトに手をだして××…
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「美沙さん、こう書いてたよ…
私たちに出会えて本当に良かったって…
いつまでも元気でいてくださいって…
そしてなによりも…
お前と結婚できたこと…
本当に良かったって…
本当に幸せだったって…
お前に…
「ありがとう」って伝えてくださいって…
そして…
お前の幸せを心から祈っていますって…」
「………」
言葉が…
出てこなかった…
美沙から…
彼女からそんな風に
言ってもらえるなんて夢にも思ってなかったから…
だってそうだろ？
離婚届に印を押したあとの
彼女の俺に対する態度は、
ただの知り合いに対するもの…
いや、違う。それ以下だった。
ただの知り合い相手だったら、
愛想笑いぐらいするだろうけど、
俺には本当に素っ気無いっていうか、
用事さえすめが用なしって感じだった。
借りたお金はきちんと返しますから、
それ以外のことで関与しないでください。
別れたあなたにどうこう言われる筋合いはありません。
最後の最後まで
ずっとそんな感じだったから…
だから…
びっくりしたっていうか、
戸惑う気持ちが圧倒的に強かったわけで…
オヤジが嘘をつく理由もないし、
この状況でありえないことぐらい分かってたけど、
それでも、素直に彼女の言葉を
受け取ることができないでいると、
「おい、聞いてるのか？」
無言の息子を気にかけるオヤジに、
「あ、ご、ごめん（汗）
大丈夫。聞いてるよ…」
慌てて答えると、
オヤジは…
「とにかく…
そういうことだから…」
咳をごほんと漏らしたあと…
「お前、これから通夜にいくんだろ？
引き止めて悪かったな…」
「いや…」
「気をつけてな…」
「あ…うん…、ありがとう…」
オヤジに「気をつけて」なんて言われたことなんて、
人生で初めてかもしれない…
そんなことを頭に浮かべながら
オヤジとの電話を終え、
再び駅に向って歩き出したわけなんだけど…
浪費された時間を取り戻すべく、
ゼイゼィしながらも、
いつもより速度を速めたおかげで、
なんとか予定の電車の時間までに
駅にたどり着くことができ、
「良かった…
間に合った…」
階段を手前にして、少しスピードを落とし、
「よっこいしょ…」
体力不足を痛感しながら、
ゆっくり階段をあがろうとした、そのとき…
不意に…
冷たいものが頬を伝ってさ…
目の前が歪んでた…
大きな雫で、コンタクトレンズが濡れて、
視界が歪んでた…
お前と結婚できたこと…
本当に良かったって…
本当に幸せだったって…
お前に…
「ありがとう」って伝えてくださいって…
そして…
お前の幸せを心から祈っていますって…
オヤジが伝えてくれた、
美沙の『言葉』が…
頭の中をぐるぐると駆け巡るなか…
あやふやな視界を正すべく、
手の甲で目元をぬぐったあと…
二段飛びで階段を一気に駆け上がっていきました…
【問題】
美沙の実家につくと…
え……！？
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お前に…
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そして…
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「………」
言葉が…
出てこなかった…
美沙から…
彼女からそんな風に
言ってもらえるなんて夢にも思ってなかったから…
だってそうだろ？
離婚届に印を押したあとの
彼女の俺に対する態度は、
ただの知り合いに対するもの…
いや、違う。それ以下だった。
ただの知り合い相手だったら、
愛想笑いぐらいするだろうけど、
俺には本当に素っ気無いっていうか、
用事さえすめが用なしって感じだった。
借りたお金はきちんと返しますから、
それ以外のことで関与しないでください。
別れたあなたにどうこう言われる筋合いはありません。
最後の最後まで
ずっとそんな感じだったから…
だから…
びっくりしたっていうか、
戸惑う気持ちが圧倒的に強かったわけで…
オヤジが嘘をつく理由もないし、
この状況でありえないことぐらい分かってたけど、
それでも、素直に彼女の言葉を
受け取ることができないでいると、
「おい、聞いてるのか？」
無言の息子を気にかけるオヤジに、
「あ、ご、ごめん（汗）
大丈夫。聞いてるよ…」
慌てて答えると、
オヤジは…
「とにかく…
そういうことだから…」
咳をごほんと漏らしたあと…
「お前、これから通夜にいくんだろ？
引き止めて悪かったな…」
「いや…」
「気をつけてな…」
「あ…うん…、ありがとう…」
オヤジに「気をつけて」なんて言われたことなんて、
人生で初めてかもしれない…
そんなことを頭に浮かべながら
オヤジとの電話を終え、
再び駅に向って歩き出したわけなんだけど…
浪費された時間を取り戻すべく、
ゼイゼィしながらも、
いつもより速度を速めたおかげで、
なんとか予定の電車の時間までに
駅にたどり着くことができ、
「良かった…
間に合った…」
階段を手前にして、少しスピードを落とし、
「よっこいしょ…」
体力不足を痛感しながら、
ゆっくり階段をあがろうとした、そのとき…
不意に…
冷たいものが頬を伝ってさ…
目の前が歪んでた…
大きな雫で、コンタクトレンズが濡れて、
視界が歪んでた…
お前と結婚できたこと…
本当に良かったって…
本当に幸せだったって…
お前に…
「ありがとう」って伝えてくださいって…
そして…
お前の幸せを心から祈っていますって…
オヤジが伝えてくれた、
美沙の『言葉』が…
頭の中をぐるぐると駆け巡るなか…
あやふやな視界を正すべく、
手の甲で目元をぬぐったあと…
二段飛びで階段を一気に駆け上がっていきました…
【問題】
美沙の実家につくと…
え……！？
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1 ■初コメ
こんにちは。ずっと読ませてもらってます。
やっぱり美沙さんは素敵な女性ですね。
きっと自分の病気に気づいたときに先生の将来を
考え冷たくして身を引いたんですね。
自分を犠牲にしても貴方を思ってくれる女性がいた事をこの先も忘れずにいてほしいです。
更新楽しみにしています。