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「くめ納豆」倒産 納豆の本場、茨城県民大ショック!

「ミツカン」が事業継続も

 創業58年の納豆大手「くめ・クオリティ・プロダクツ」(茨城県常陸太田市)が25日、東京地裁に民事再生法の適用を申請、経営破綻したニュースが、納豆の本場、茨城県民に大きなショックを与えている。幸い事業は大手企業が継続するが、生産量日本一で「水戸納豆」のブランドを育ててきただけに、心中は複雑のようだ。

 同社の「くめ納豆」といえば、茨城県内ではダントツの支持率4割強で知られ、工場見学や体験教室も実施するなど地元では「納豆=くめ」という存在。公式ファンクラブ「くめ納豆倶楽部」の名誉会員には、ビジュアル系バンド「PENICILLIN」のメンバーや、リポーターの東海林のり子さん(75)も名を連ねる。

 水戸市に隣接したひたちなか市出身の主婦(30)は「物心ついたときから納豆は『くめ』でした」と熱く語る。

 「給食で出される納豆はすべてくめ製。スーパーの最前列に広く陳列され、家族でハコ買いしてました。他とは豆そのものの味わいや食感が全然違う。上京した時、くめがあまりにもマイナーで、友人たちも知らなかったことに衝撃を受けたものでした」

 そんな同社も、値下げ競争や原料のコスト高で業績不振に陥り、経営破綻。負債総額は約90億円。そのくめブランド消失を救ったのが、業界2位のミツカン(愛知県半田市)だった。

 くめとミツカンが24日に結んだ基本合意によると、ミツカンが全営業権を取得。10月上旬をメドに、現従業員らが出資する新生「くめ納豆」社に製造を委託し、販売を引き継ぐ。買収額は不明。

 納豆の市場規模は2000億円弱。「おかめ納豆」のタカノフーズ(茨城県小見玉市)が首位でシェア32%。ミツカンは1997年に本格参入した後発だが、「におわなっとう」や「金のつぶ」などで猛追し16%、くめは10%で3位だった。

 とはいえ、くめファンの心境は複雑そのものだ。「納豆学会」主宰者で新潟県柏崎市議の三井田孝欧氏(37)が「くめ納豆が存続するというのでひと安心。ただ、専業でない企業が買収することは不安要素」と、こう代弁する。

 「ミツカンが独自開発し大ヒットした、におわない納豆やゼリー状のタレは全国的に支持されていますが、くめ納豆で育った茨城県民やファンにとってはある意味、邪道。大企業の経営判断でくめの泥臭さや汗くささ、地道さが失われないことを願うばかりです」

 こうした声にミツカングループ本社は、「くめブランドの消失を避ける目的で、当社が提出したオファーによって基本合意に達しております。製造個所や製造法、製造者は変わらず、品質や味が変わることはありません」(コーポレートコミュニケーション部)と話す。1日も早く県民の不安が取り除かれることを祈るばかりだ。

ZAKZAK 2009/08/28

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