東京地検は28日、女優の酒井法子(本名・高相(たかそう)法子)容疑者(38)を覚せい剤取締法違反(所持)で起訴した。酒井被告は、7月5日ごろに覚せい剤を使った容疑でも追送検されており、地検は捜査を継続する方針。酒井被告が所属する芸能事務所「サンミュージック」は28日、酒井被告とのタレント契約を解除したと発表した。
起訴状によると、酒井被告は今月3日、東京都港区南青山の自宅マンションで覚せい剤0.008グラムを隠し持っていたとされる。
捜査関係者によると、酒井被告は「(見つかった)覚せい剤は使用した残りだった。また使おうと思っていた」と供述する一方、「捨てるつもりだった」とも話しているという。地検は、覚せい剤が化粧品ポーチの中からアルミ片に包まれて見つかったことなどから、使用目的での所持は明らかとみて起訴に踏み切った。
覚せい剤所持を巡っては、東京高裁が73年、約0.003グラムを持っていたとして起訴された男性に「覚せい剤としての効用がない」と無罪を言い渡している(確定)。酒井被告の所持量も微量で、起訴は難しいとの見方もあったが、地検は酒井被告の「あぶって使った」との供述を踏まえ、0.008グラムという所持量を「効用がある」と判断した。
警視庁は今月8日に覚せい剤所持容疑で逮捕した後、酒井被告が7月5日ごろに自宅マンションで覚せい剤を使用したとして24日に追送検している。逮捕後の尿検査は陰性だったが、毛髪鑑定では陽性反応が出た。
捜査関係者によると、夫の高相祐一容疑者(41)=覚せい剤所持容疑で再逮捕=が「イラン人から買ったものを妻の家で7月5日ごろ一緒に使った」と供述。酒井被告も使用を認めているという。
28日会見したサンミュージックの相沢正久社長(60)は謝罪したうえで、「23年間、一緒に頑張ってきたが、今回の反社会的行為は許されるものではない。起きたことの重大さを真摯(しんし)に受け止め、断腸の思いで解雇の結論に至った」と語った。
ビクターエンタテインメントも28日、サンミュージック、酒井被告とのCD・DVDなどに関する3者契約を解除したと発表した。【伊藤直孝、佐々本浩材】
毎日新聞 2009年8月28日 21時42分(最終更新 8月28日 21時46分)