ホーム > リング > リング最新紙面記事

武蔵、年内で引退…ワールドGP参戦直訴

 緊急会見を開き引退を表明した武蔵=都内
 緊急会見を開き引退を表明した武蔵=都内

 “日本人エース”として14年間、K-1ヘビー級戦線を支えた武蔵(36)=正道会館=が26日、都内で緊急会見し、今年限りでの現役引退を表明した。武蔵は“花道”として過去2度準優勝したワールドGPの開幕戦(9月26日、韓国ソウル)出場を主催者に直訴し、日本人選手史上初のGP制覇を最後の目標に据えた。主催者側は公式サイトで28日まで行われるファン投票の結果を踏まえ、31日にも主催者推薦の残り3枠を発表する。

  ◇  ◇

 武蔵はこの日午後、急きょ開いた会見にスーツ姿で登壇し、「引退を決めました」と宣言。硬い表情のまま「デビューして14年。どこかでケジメをつけなければいけない。今年の7月ぐらいから思い始め、7月末に決めた」と説明。あくまで「ケジメ」を強調し、肉体的な限界は否定した。

 最後の希望はワールドGP出場だ。「自分なら日本人が成し遂げていない優勝という夢をかなえることができるが、今の自分は出場権を持っていない。チャンスを与えていただきたい」と訴えた。94年に佐竹雅昭が、03、04年には自身がはね返された「優勝」という高い壁の打破を誓った。

 武蔵は今年1戦も行っておらず、GP出場には主催者推薦残り3枠に頼るしかない。K-1の谷川貞治イベントプロデューサー(EP)はファン投票を参考に検討する意向を示した。31日にも出場可否が発表される。

 武蔵は昨年大みそか「Dynamite!!」でゲガール・ムサシにKO負けした際、左股(こ)間節のケガに加え、試合中に左鎖骨を脱臼したことを明かし、「試合をせず、コンディションを整えて、ケガを治してきた。ここでダメなら次はない。大みそかも考えていない」と、引退と引き換えの出場を直訴した。

 GP出場を目指して予選を戦ってきた他選手の立場を考えれば、やや“強引”とも取られかねない主張だが、谷川EPは「『勝手なことを言うな』とは思わない。彼の功績は大きい」と理解を示した。GP不出場となれば、来年に改めて引退試合を提供するという。

 武蔵は引退後の進路について「何も考えられない」と話した。80試合以上戦ったK-1の総決算を、最後のGPで出し尽くすことしか頭にない。

Copyright(C) 2007 Daily Sports All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp