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衆院選:日本に「脱米入亜」の動き(下)

■「米国による一方的戦争は支援しない」

 しかし、政権を取った民主党がこうした主張を果たしてどれだけ具体的な政策として推進するかは未知数だ。カギとなる日米間の懸案は幾つかある。まず、イラクに駐留する多国籍軍を支援するため、インド洋で海上自衛隊が行っている給油支援活動だ。この活動を行うための特別法の期限は来年1月で切れる。民主党は期限延長を行わないと公約した。

 しかし安保専門家は、民主党政権が給油支援打ち切りの代わりにアフガニスタンの多国籍軍に対する支援を大幅に増やすとみている。民主党は、イラク戦争は国連の承認がないが、アフガン戦争は国連の承認を得ている点を強調している。

 第2に、現在沖縄県の普天間基地にある米海兵隊飛行場の移転問題だ。米国は沖縄県内の他地域への移転で自民党政権と既に合意しているが、民主党は沖縄以外の他地域に移転すべきとの立場だ。民主党がこの立場を貫徹しようとすれば、日米関係に大きな問題が発生する可能性がある。

 在日米軍の地位協定改定にも民主党は積極的な立場だ。当初の「直ちに推進する」から今回の総選挙のマニフェストでは「改定を提起する」という表現にとどめたが、この問題は大きな火種だ。民主党は政権交代後、6カ月から1年の間に結論を出したい構えだ。

 日本の安保問題専門家は、民主党が政権に就いても現実を考慮し、大きな衝突を避ける方向に行かざるを得ないとみている。しかし、日本という国が戦後60年余り維持してきた日米同盟秩序の変化を模索し始めたことは確かだ。いわゆる「脱米入亜」の出発点と見ることもできる。その影響は北東アジア全体に及ぶ。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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