2009年8月28日10時12分
【ワシントン=勝田敏彦】北朝鮮が98年と今年、テポドンで打ち上げに成功したと主張する人工衛星の「光明星1号」「同2号」を、米航空宇宙局(NASA)が人工衛星や探査機の打ち上げリストに載せていたことがわかった。NASAは「誤りだった」としてリストから削除した。
リストは「世界の宇宙打ち上げ」と呼ばれる実績集で、インターネットで公開されている。98年版には「試験」として「テポドン」が「光明星1号」を打ち上げたとしており、今年4月のテポドン2の打ち上げでも09年版に同様の記載があった。
テポドンは長距離弾道ミサイルと考えられており、NASA広報は「テポドン2に関する記載は同一人物による間違い。北朝鮮に関する記載は24日にすべて削除した」としている。ただ98年版はネット上に記載が残っている。
NASAは削除の理由を示していないが、最近、北朝鮮系の「朝鮮新報」が、リストに載っていたことを理由に「NASAが弾道ミサイルではなく、人工衛星だと認めた」などと報じたことが背景にあるとみられる。
テポドン2の打ち上げでは、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部が「何も衛星軌道にのせられなかった」と発表した。
同リストは、韓国が25日に打ち上げた衛星については「技術」目的で「失敗」と記載している。