2008-12-15 19:20:16

リストカットはどのように治るのか?

テーマ:境界型人格障害
リストカットは自傷行為の1つで、過去ログにも少しだけエントリがある。リストカットの原因だが、普通、トラウマだとか心理的なものを言われているが、僕はそう見なしていない。

リストカットは、自分自身への暴力性であり、おそらく器質的色彩の強い精神所見なのである。

僕が治療した範囲では、そういう風に考えた方が、いろいろな点で辻褄が合うし、ずっと合理的だと思う。治療方法、経過もその方が理解しやすく、僕は常にその視点で治療を進めている。

過去に虐待があったとか、あるいはトラウマになりそうな事件があったとか、そのような生育歴は単に器質性疾患を暗示するものでしかない。

ただ、うちの病院はリストカットの人がすごく集まるような病院ではないので、僕が知らないところに、とてつもなく難しい人もいるかもしれないとは思う。

過去ログにも少し出てくるが、僕はパニックやリストカットはあまり疾患として重視しておらず、精神疾患の1所見といった捉え方、つまり辺縁の症状と見なしている。だから、将来的にリストカットが良くなるとしても、どのように良くなっていくのか、さほど意識していなかった。このブログを始めるまでは。

ところが、このブログのコメント欄で、もう何年もリストカットに悩まされているとか、パニックが治らないという話を聴き、それ以後、特にリストカットの治癒に至る経過を意識するようになった。(このブログは2006年7月からもう2年以上続いている) もちろん、それで悩んでいる人たちに何かヒントになることが発見できるかも知れないと思ったこともある。(参考

僕はリストカットの人の治療で、なぜか過去に1人も失敗していない。治療継続したすべての人でリストカットは消失しているのである。(途中でどこかの病院に行ってしまう人もいる(笑)。過去ログ参照)

リストカットの症状はだんだん治るのでなく、ほとんどの人で、ある日、突然消失する。

ダラダラと時間をかけて治っていくのとは違うようなのである。(あるいは、ある日突然、著しく頻度が減り、その1週間~半月くらい以内に消失する)

最初、リストカットの治癒過程を意識した時、すべての人でいつのまにか消失していることに気付いた。なぜこのような書き方になるかというと、僕は「最近、リストカットはどうですか?」とか聞き辛いので、あまり聞かないから。いや、なんとなく・・(これは今でもそうだ) 

リストカットは本来の精神疾患の寛解とともにある時点で消失してしまうようなのであった。

この謎は僕もうまく説明できないが、僕がカウンセラータイプではないことを考慮すれば、おそらく脳の器質の部分の改善により、突然のリストカットの消失をもたらすのかもしれない。器質由来の機能不全が薬物により緩和し、不連続にリストカットの衝動が消失する。

つまり、ある日、彼女は急峻な断層を駆け上がるのであろう。

ある時(この1年以内の話)、うちの病院で両手首に生々しい傷を残しているような女性患者が受診していた。当初、僕以外のドクターが診ていたのだが、あまり良くならないこともあり、外来婦長が僕の診察日に来るように本人に言ったらしい。(初診後2ヵ月半頃)

最初に診た時、彼女はもう10年以上リストカットが続いていると話していたが、今風な所見が全然なかった。それは過食・嘔吐、買い物依存、浪費などの症状である。ただ、もちろんうつ状態はある。

手首に両方包帯をしているが、僕はそれを見せてくれとは言わない。僕は見たくないのである。

また、傷痕を見ることがあまり治療的ではないと思っていることもある。だから看護師さんが手当てした際などに、後で傷の様子などを聞いたりする。それどころか、どういう時にリストカットしたくなるかとか、そういうことすらできるだけ聞かないようにしている。これも治療的でないと思うからである。僕がそれを知ったところで、結果には大差ない。

この人は、あんがい早く良くなるような気がした。精神症状がシンプルだからである。最初の診察の後、外来婦長とそんな風に話していた。

僕は最初、アナフラニール主体で治療しようとしていた。毎日点滴に来ることを勧めたが、それは仕事の都合もありできないという。リストカットや慢性の希死念慮の人たちは働いていることが意外に多いので、日本には同様な症状で無治療の人たちが相当数いるような気がしている。

最初はうつ状態を改善することにし、リストカットを促進させていそうなものを中止するつもりだったが、初診のドクターが安易にSSRIを処方していなかったため、特に急いで減量する薬はなかった。

リストカットに悪そうな薬とは、SSRIやベンゾジアゼピンである。一見、ベンゾジアゼピンは直接、希死念慮を煽らないのでSSRIよりはマシのように思われるが、多い量ではもちろん良くはない。というより、ベンゾジアゼピンは脱抑制があるので、患者さんによればむしろマイナスだと思う。患者さんが飲みたがるのは、姑息的な一時の安定が得られるからだ。

若い人では、安易にSSRIを処方すると、治療を開始してからリストカットが出現するという事態に遭遇する。これは病状が進行したとか、医師からはなんとでも言えるが、結局は向精神薬の理解が足りないとしか言いようがない。ひとことで言えば、失敗なのである。

注意してほしいのは、リストカットは希死念慮と同列には語れないこと。彼女(彼)たちは決して死にたいから、リストカットしているのではない、特にDelicate cutterではその傾向が強い(参考)。だから、SSRIがリストカットを改善することはありうる。ただ、確率が低いだけだ。このブログではパキシルで幻聴が消失した話が出てくるが、ちょうどあの世界なんだと思う。(参考1参考2

リストカット≒慢性的希死念慮(←今から考えると、これはちょっと言い過ぎである。(2009年8月27日>参考))

何が似ているかと言うと、自分自身への攻撃性、暴力という視点において、器質的色彩がある点。ただし、慢性的希死念慮はあるがリストカットはない人はザラにいる。これは、やはり表現型の相違なんだと思う。

ベンゾジアゼピンでもリボトリールだけは気分安定化薬なので例外的に使って良いような気がしている(←私見)。ごく稀にリボトリールも悪そうに思える人がいるのは謎だ。

この患者さんの場合、リストカット以外に過食・嘔吐がないので、SSRIは選択肢に挙がりにくい。過食・嘔吐があれば単純ではない。

僕はアナフラニールとアンプリットを併用することにした・・(今回の主題ではないので以下省略。彼女は能力の高いタイプのウェールズの人であった。なお、ECT、バッチフラワー、エゾウコギなどは使用していない)

僕が診始めて、5日目まで、かえってリストカットが増加し、救急病院の医師から苦情の電話がかかってきたらしい。短い期間にあまりにも頻回にリストカットし受診したからである。たまたまその電話を僕は取ることができず外来婦長が対応したが、嫌なことを聞かないで済んで良かった。

あれはたぶん、救急医からすれば、何をやってんだ?といったところであろう。(処置する身にもなってみろ!と言った感じ)

僕は何か変なことでもしたかな?思ったが、これは後で考えると、薬物の好転反応みたいなものだったのかもしれない。(なぜかわからないが、僕の患者さんは最初いったん悪くなる人が多すぎると思う)

彼女のリストカットは、14日目に突然消失したのである。(もう少し正確に言えば、9日めに頻度がガクンと減り、14日目に消失したという。本人の話)

これは僕の過去の治療でも最短記録であった。

彼女によれば、気分がずっと良くなったという。どうしようもない衝動が起こらなくなったらしい。他覚的には顔色がかなり良くなっており、笑顔も見られるようになっていた。表情はすがすがしい感じなのである。

ちょっと不思議な所見が出ていた。それは物忘れである。彼女はいろいろなことをすぐに忘れてしまうので、いつも努めてメモするようにしていたという。これこそ、ウェールズタイプの人たちの非定型的色彩を帯びた精神所見である。これは若い人では時間が経つと良くなることが多い。(数ヶ月続くこともある。)

彼女に限れば、2週間以内にこの所見はほとんどなくなったしまった。このような微妙な症状変化にはバリエーションが多く、そうならない人も多い。このあたりは整理した人が未だかつていないような気がしている(リストカットの消失に至る精神所見の推移)。

過去ログではリストカットには疾患特異性がないという記事をアップしている。リストカットはあらゆる疾患に生じうるが、老人性疾患にはほとんど生じない。また、リストカットは精神疾患でも統合失調症でない人に出現しやすい。リストカット(特にDelicate cutter)は本来、統合失調症的所見ではないのである。もし、統合失調症の人にそれがあったとしたら、典型的でない人とは言える。(統合失調症の人の場合、本気で死のうとしてリストカットすることがある。)

これは良く考えると、リストカットは器質的所見であることを示唆しているような気がする。もともと器質性疾患と統合失調症は水と油の関係になっているからである。例えば、ECT治療の発想は、統合失調症にてんかんが極めて合併しにくいことがヒントになっている。

老人こそ、器質性疾患が多いのではないかという反論があるかもしれない。この答えだが、おそらく老人の疾患は器質的異常が生じる時期が全然違うからなんだと思う。ここで言う器質性とは、ほとんどが何か画像で見えるものではなく、生来か少なくとも思春期、せいぜい30歳までに脳に影響したために生じる極めて軽微な器質性異常である。(ソフトで濃淡のある器質性異常)

ウェールズの人たちにリストカットが生じることがあるのは、内因性と器質性の双方の特性を持つからなんだと思う。双極性障害のラピッドサイクラーの人のリストカットについても同様である(器質性背景があるという意味)。

少し話が逸れるが、ずっと年配の人で、躁うつ病かあるいは非定型精神病的精神症状で発病し、時間の経過とともに崩れていく人たちが稀にいる。ここでいう「崩れていく」と言うのは認知症になってしまうことを言う。これらの人たちは、実はレビー小体病かあるいはその亜型なんだと思う。

レビーの症状の浮動性(時間により良くなったり悪くなったりすること)の原因はたぶん、脳の下の方の機能が良くないからであり、意識に関連している。その点で非定型精神病に出現する意識障害(特に夢幻様状態)とかぶっていると思う。

レビーの人はデイケアに参加した際に歌ったり動いたりするので覚醒レベルが上がる。この揺さぶりみたいなものが症状の浮動性に効果的なのである。したがって老人保健施設などで実施されているデイケアはもちろん治療的である。レビーは家族関係も非常に似ているので、これらの疾患群は実は遠い親戚同士なのかもしれない。

誤解してほしくないのは、非定型精神病は認知症に至る病ではないこと。どうも、こうことを書かないと誤解して不安になるような人もいるようなので、注意を喚起するために一応、指摘しておく。

ベンゾジアゼピンについて少し補足すると、日本ではたいてい眠剤としてベンゾジアゼピンが処方されている。この眠剤としてのベンゾジアゼピンはリストカットの人たちには良くはない。しかしながら、このような人たちがベンゾジアゼピン系眠剤を中止することも容易ではないのであった。

「ベンゾジアゼピンは中止するべき」と言うのは簡単だが、非現実的なことを言うことは僕は嫌いなのである。これこそ臨床医っぽいところなんだと思う。(←現実派

最初に出てきた人とは違う女性患者さんだが、かなり酷いリストカットの人であったが、不眠も強く、結局以下の処方に落ち着いた。

ベゲタミンA  2T
ユーロジン   4㎎
ネルボン    10~20㎎


ややうろ覚えで、ユーロジンは違うベンゾジアゼピンだったかもしれない。この処方で、1ヶ月~2ヶ月でリストカットが完全に消失した。その後半年以上経つが、リストカットは再発していない。しかも彼女はこれといった副作用もなく働いているし、見た目、眠剤を飲んでいる雰囲気など全くなく、ピンピンしている。

この処方で最も重要なのは、ベゲタミンAとネルボンであることは間違いない。さすが神の薬である。やはり、こういう処方感覚が器質性を意識しているんだと思う。この処方はたぶん凡人には理解できないであろう。(参考

リストカットに限らないが、精神症状をどのように理解していたとしても、結果的に良くなれば良いのである。(←O型的考え方)

いろいろ難しい能書きがあっても、治らないのなら仕方がない。


僕はリストカットのようなシンプルな症状を、難しく考えすぎるから、かえって治りにくくなっているのだと思う。あくまで僕から見た範囲だけど。

(このエントリには少しだけ続きがある。実は、リストカットが治癒するにしても、上のような経過にならない人もいる。リストカットが消失するまで、なんと2年半もかかった人が存在するのである。この人のことをいつかアップしたい)

コメント

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1 ■リストカット

以前入院した病院では、リストカットをした患者さんは皆無でしたが、今回引っ越して入院した病院では、非常に多く、または物とか外出時から戻ったときの荷物チェックも厳しいのに、刃物以外の何かでリストカットしたり、ちょっとびっくりしました。
そしてリストカットしたあとを平気で見せ合っているのがこれまた意外でした。

2 ■はじめまして

私は現在26歳です。
20歳のころリストカット癖が酷く、そういえばいつのまにか辞めていたんです。
何が辞めるきっかけだったかは思い出せません。


しかしこの4ヶ月パキシルを服用していて、思い出したかのように先日やってしまったんです。
もう一生やらない自信があったのに…

3 ■おひさしぶりでした

今年も残りわずかとなりました・・ 十月に 受験 したテスト ですが あと一息の所 で・・ 残念な 結果でした ・・ リストカット 行為 は 怖くてできないけれど・・ あの 勉強生活は ナー・ 合格までは がんばりますか・・ フエルメール展 へも 行って参りました・

4 ■追伸・・ 相変わらず

職場 環境が いまひとつなので 検討してます・具体的には ひとつきからふたつきに 一度は 頭ごなしに ガミガミ言われ 朝礼・夕礼時には ネチネチと 嫌味 ・パワハラが 続いてます・ 頭ごなしに言われ十日位経過すると ズーン と 職場に行くのが 怖く なり・ 鬱? 的 に ある程度回復すると又 頭ごなしに・・ 生身の人間なので 身がもたないナ・ 消えたい感覚が 今あります

5 ■無題

はからずもリストカットすると体表痛により状態がよくなるので習慣化してしまう。

自傷行為も高見盛のように体表痛か、ボクシングのボディーブローのような深部痛の動きを止める、活性を抑える部位なのかを見ることが大事なのではとおもっています。

今アクセスできなかたので有田先生のページをコピーします。
-----------------------
http://physi1-05.med.toho-u.ac.jp/system_neuro/noradrenalin/n5/n5.html中脳中心灰白質

中脳中心灰白質(PAG)の内部には、情動行動に関連する二つの柱状構造が長軸方向に沿って存在する。外側PAG神経柱と腹外側PAG神経柱である(図参照)。

外側PAG神経柱はストレス刺激に積極的に対処する情動行動に関わるが、腹外側PAG神経柱は全く逆の情動反応に関与する。腹外側PAGが刺激されると、じっと動かなくなり(フリージング)、外部に対して反応しなくなる。血圧も心拍も低下する。これは重症を負った時や慢性疼痛のある時などの反応である。また、腹外側PAGの尾側部を刺激すると、長く続く鎮痛効果(オピオイド性鎮痛)も発現する。

侵害性入力

痛み刺激は情動反応に重要な入力であるが、外側PAGと腹外側PAGでは痛み入力に対する反応においても違いがある。深部痛(筋や関節からの侵害性入力)や内臓痛は主に腹外側PAGニューロンを興奮させ、体表痛は外側PAGニューロンを賦活させる。この違いに対応して、行動や循環反応にも相違が現れる。深部痛は、腹外側PAGの刺激効果と同じく、フリージングや血圧・心拍の低下を起こすが、体表痛は、外側PAG刺激効果と同様に、威嚇/逃避行動や昇圧/頻脈を発現させる。この違いは、臨床観察から得られた所見と極めてよく一致する。Lewis(1939)の臨床報告2)によると、深部痛が生体に加わると、じっと動かなくなり、血圧も下がるが、体表痛の場合には、防御反射と血圧上昇が出現する、とされる。

6 ■リストカットと衝動性

とても興味深いエントリでした。
私もリストカットをしていた時期があったのですが、その頃に診てもらっていた主治医は器質性のものだという考えでした。月経周期とも関連していると考えていたようです。カウンセリング的なことは、ほとんどしませんでした。
自分はウェールズの人だと思うのですが、症状が良くなるにつれて「激しい感じがなくなってきたね」と言われました。感情表現の仕方が穏やかになってきたようです。
SSRIは基本的に使わず、主に気分安定のためテグレトールなんかを使っていました。私にはリボトリールが割りと合ったようです。リーマスを試したこともありました。
kyupin先生と治療の仕方は違うと思いますが、考え方は似ているなと思いました。

7 ■無題

あたいも十代後半は毎日、遺書の殴り書きとセットでリスカしてましたけど、
今(23歳)はすっかり切らなくなって、激欝のときでもガマン出来るようになりました。

デパスと出会ったのも一つですけど、
リスカしても結局何にもならんという認識を自分で意識的に深めていったからかな。

先生の患者さんでリスカの回復が早い傾向にあるのはきっと、
先生のリスカへのドライな対応だと思います(・∀・)イイ!

8 ■リスカと テスト ・ 先生のお話を見て

どーしても合格するまで!なんてコダワリが ありましたが 物事あまり 堅く考えず ですかネ・ とても気持ちが楽になりました

9 ■追記・ 人生の スパンで

決められた職域って あるのかもしれません・・ 今の生業資格は紆余曲折 はありましたが 奇跡的に ?修得・ ま 年齢的にも 記憶力減退傾向かナ・・ もう少し時間をかけて 勉強です

10 ■先生のような方に…

自分が通院している病院では


「自傷行為してない?タトゥー入れてない?ODしてない?」とあらゆるところを見ます。。

毎回なので うんざりです(正直)

あとは
「リスカは10代や若い子がするもんだよーあなたは、もういい歳なんだから卒業しなきゃね。」って

自分はカッターで首を傷つけてしまったり見える部分にも多数の縫い傷があります。太腿にも。

結局 リストカットがやめらなくて、ある日突然処方されていた薬 服用するのやめました。

そしたら 自傷行為なくなりました。
もう4~5年してません。

自分の決意?でもなく、服薬していたお薬のせいでもないんじゃないかと自分は思ってます。

私の場合、イライラと自分を戒める為だったような気がします。

ODは 現実逃避したくてやってましたが。


今では 少なからず後悔してます。
親に対して、子に対しても、夫に対しても。


あっ でも自分の血を飲んだり溜めたりして満足
してたこともありました。
(ちょっとズレてますが・・)

しかし完治は してないようで リストカットよりももっとすごいことしたくなっちゃうことが たまーにありますが。

無理ですが先生のような医師に巡り合いたかったです。
長文すみません。

11 ■蛇にピアス的

リストカットは私もでしたが、私の知り合いでは全員手首もしくは腕でした。

でもアメブロで知り合った人に、足(太もも)を切る人がいます。他人に親に知られたくないから、らしいです。

中森明菜が腕を切った時も感じましたが、見つけてほしい欲求がありますよね。
私もある男性の目を引くためでした。
明菜ちゃんも私も、切ってその目標を達成したから、今、そのまま生きていられるのだと思います。

リストカットは表現の形の一つなのでしよう。

12 ■無題

>ここで言う器質性とは、ほとんどが何か画像で見えるものではなく、生来か少なくとも思春期、せいぜい30歳までに脳に影響したために生じる極めて軽微な器質性異常である。

↑わたしには覚せい剤の常用歴があるのですがその前後、リストカットしまくっていました。
また、それに関して悩みは一切なかった。

彼氏の気を惹きたくて切っていた部分が大きいです。

でもあるとき、リストカット というか、アームカットでしょうか。
腕を大きく切ったあとの抜糸で老医師に皮膚をちょこっと切られてしまいました。
まあ、それが痛くて痛くて。
そのとき思ったのです、「この痛み・・・・・切ってるときの精神状態はまともじゃないわ」って。

そしたらなんか、熱が冷めるかのように、リストカットへの欲求が消えましたね。
なんか、不思議です。
あんなに毎日毎日肉が表に出てくるほど切っていたのに、いきなりどうでもよくなるなんて。


でも、そんなもんかもな  って思います。
あと、リストカットは思春期的な疾患に近い感じも、する。

13 ■無題

私は暫くリストカットで悩んでいましたが、いつのまにか治まりました。
しかし数年前にSSRI以外に抗不安剤を処方されてからリストカットが始まりました。
レキソタン、ソラナックス、デパス何れもです。
やめると消失し、1年後再開するとリストカットもするようになりました。
で、現在はSSRIと就寝前のデパス以外は服用していません。リストカットもしていません。

どういう関係があるかわかりませんが、
私の場合はベンゾジアゼピン系はリストカットをするのに丁度よい精神状態になってしまいます。
お酒に酔って無茶なことをしてしまうのに似てるのかもしれません。

14 ■一例として

現在28歳です。

24の時に欝になり
誰かに心配して欲しいとかじゃなく
自分への罰として切ってました。
(あとあと傷が残らない程度にかなりの箇所を切っていました。腕の内側をびっしりと)

あまりにも酷いのでデプロメールで攻撃的になっているんじゃないかと看護婦の知人に言われ『飲んでも酷いなら飲まない方がいい』と無断で辞めました。
生理前あたりに1度荒れるか凹みますが
その時の波が大きいと傷つけてしまう
くらいでその他の日はありません。

辞めるきっかけとしては
落ち着いている日が続くと
他の人の目線がやたら気になりだして
やろうと思わなくなるのです。

切っている時期は人の目なんて
気になりませんでした。



15 ■Pale Blue Eyes

「リストカットは、自分自身への暴力性であり、おそらく器質的色彩の強い精神所見なのである。」

という枠付け自体が極めて強力な心理療法的介入だと感じました。非薬物療法家が器質的文脈と絡んで何がしかの治療的機能を果たすには、オカルトな領域に踏み込むしかないのかもしれない…なんて思ってしまいました。

16 ■無題

うつ病になり2年経ちます。ドグマチールからパキシル20ミリに。死にたくなると感情にパキシルは良くないのでしょうか?山でいう8合目あたりにいますが、たまに訳もなく「死にたい」と思います。すぐにその気持ちはなくなりますが。
ただ、良くなっているから、パキシルが合ってるとは思いますが、記事を見て少し気になりました。

17 ■無題

先生のおっしゃる通り、潜在的に症状を持つ人は相当数いると思います。
過食嘔吐も同様に、治療を受けてない潜在的患者がたくさんいると感じます。
私は数年過食嘔吐に悩まされていますが、医師であっても、他人には言いづらいです。
それは、自分の意思でしてしまう行為であり、他人には理解できない、という思いがあるからです。
リストカッターにも通じるものがあるのでは、と思いました。
実際、吐けなくてパニックになり、救急外来に行ったときに、看護師に、「食べなければいいだけでしょ。あなた何を言ってるの?」と言われたことがあります。
自分でも、意思でコントロールしなければ治らない、という意識の方が強いです。
私は先生のブログを全て読ませて頂いていますが、薬物治療により、良くなる、というのに未だに疑問を持っています。
いつか、過食嘔吐の寛解の過程をアップして頂けたら嬉しいです。

18 ■物忘れ

「物忘れ」がウェールズタイプの人の非定型的な精神所見であるという先生のご指摘にとても興味があります。いつか機会があればその辺りのお話がお聞きしたいです♪

19 ■リストカットするのは何故?

いつも興味深く拝見させていただいております。

僕の身内にもリストカットする若い女性がいます。手首、上腕、お腹、太ももなどにやっています。。。

彼女が言うには、リストカットするのは、現実感がなくなって、自分が自分でないようなときに無性にリストカットしたくなる衝動が出てくるからみたいです。つまり解離しているときにそういう行為に及んでしまうようで、自分の血が流れるのを見ると、ほっとするそうです。もちろん、自殺するつもりでやっているわけではないようで、傷はそんなに深くないみたいです。

僕なりに考えると、リストカットは一種の麻薬中毒と似ているような気がします。行為の時の気分の良さ(?)恍惚感(?)快感(?)が時々忘れた頃にまたやってみたくなる衝動を起こすのではと思うのですが。。。
たぶん、年取って分別がついてくると、あほらしいと自覚して自然と辞めるようになるのではと思うですが。。。つまり、薬物や心理療法などしなくても自然と消失していくのが自然経過なのではと思うのですが。。。

20 ■リスカ

私もある時期を境にパタっとリスカしなくなりました。
初めて自傷したのが14歳でその後13年続いたのに不思議です(笑)

前々主治医に「貴方のしている自傷行為(リスカ)は自慰行為と同じなんですよ」と言われて
当時かなり嫌悪感を抱いたのですが、あれは正論だったのでしょうか…。

21 ■自閉性との関係もあり?

自分の気持ちや辛い状況を上手く表現できず、自傷で表現するように思います。
酷い自傷は治まっていますが、カラコンとタトゥーの事ばかり考えている。

生理前の攻撃性も酷い。

やっぱり…!と思う内容でした。

22 ■別に

リスカしとるからって、病院行かへんし、親だって気づいても自殺の真似なんかやめてとしか言わん。自殺の真似とか(笑)
心配とかする前に異常者だと思われましたね。
だから私はネットに依存しちゃいます(笑)
親なんか嫌い。信用なんかしない。
愛されてないから。

23 ■リスカについて。

私は通院するようになって3年目です。
今の処方はジェイゾロフト85.5mgとユーパンと、睡眠補助でハルシオンとマイスリーとデジレルを処方されています。

最初、なんとなく切ってみたくなってやりました。
それが、我慢できなくなって次々と繰り返してしまうんですよね。
私はパキシルからジェイゾロフトに処方が変わってやら無くなったと思います。

一番酷かったのは、ロヒプノールを処方されていた時です。飲むと何故か眠るのが嫌になって、体を切っていました。
薬の相性が原因だったのか半年以上自傷行為はやっていません。

24 ■いま

無性にしたい
五年位してないのに
母が私をかわいいといいつつに20年も昔の事でなじる 生きていてはいけないの?

25 ■無題

自分の生きている行動の全てを否定されたらどうなりますか?母だったら?
かわいいからと言いながら昔の事を恨まれたら私はどうすればいいの?

26 ■痛みの感じ方かなぁ。

過去に親しかった友人がリストカッターでした。
私自身は痛いのが嫌いでよぉ切りません。

19才ぐらいのとき、とある事件があり、その憤りから
鉄製の穴あきプレート?みたいなものをガンガン殴って
拳が血だらけになったことがあります。
その後は人が変わったのかと思うくらい、
物の感じ方が変わり、いつも怒りを感じていました。

実際はそこまでは至りませんでしたが、
もし自分が昔からこの心境であれば、
リストカットもするような気がしました。

腕力で対抗できるようになる18歳ぐらいまでは、
父親からの週5頻度の暴力を受けており、
その時と、一人暮らしして8年になる今とでは、
精神的にだいぶ違っている気がします。
素人考えでは、離人症という症状に近い気がしました。

私の主観から時系列で整理すると
・幼稚園~中学3年 ほぼ毎日のDVで精神的に異常な状態に置かれる
・高校1年~18才 力での暴力を受けなくなり少し安定、言葉での暴力は続く
・19才 とある事件で衝撃を受け、1年ほど怒り状態が続く。暴力への抵抗感が少なくなる
・28才 父親と離れ社会に出たことで、精神的に落ち着いてくる
といった感じです。

私の経験からの類推ですが、
希死概念という精神的なものというより、
感じ方の変化という方が納得できますね。

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