−経緯−
平成7年1月5日、埼玉県警は埼玉県・熊谷市のペットショップ「アフリカケンネル」経営の関根元(当時53歳)と元妻で共同経営の風間博子(当時38歳)の2人を死体遺棄の疑いで逮捕した。
関根は犬の繁殖場の建設で1億4000万円の借金を抱えていた。そこで、なりふり構わず不当な価格で犬の販売を行った。平成6年4月、産廃処理会社経営・川崎昭男(当時39歳)に対して実際は数十万円のアフリカ産の犬を1000万円で売りつけた。後日、購入した犬が時価数十万円程度であることを知った川崎は関根に代金の返済を求めた。
そこで、関根は川崎を呼び出して栄養剤だと偽って犬薬殺用の「硝酸ストリキニーネ」入りのカプセルを飲ませて殺害した。硝酸ストリキニーネは、知人の獣医に「犬を安楽死させるため」と偽り50人を殺害できる量の5グラムを譲り受けていた。
この殺害を知った暴力団幹部・遠藤安亘(当時51歳)とその運転手・和久井奨(21歳)を口封じのため7月に殺害。8月末には、主婦・関口光江(当時54歳)に犬の販売トラブルで殺害した。いずれも「硝酸ストリキニーネ」を飲ませて殺害し、群馬県片品村にある犬飼育場に遺体を運び、風間と2人で浴槽にて包丁でバラバラにした。また、同社の元役員・志麻永幸(当時38歳)に依頼して細切れにした肉片は川に棄て、骨はドラム缶で焼き、残った骨灰は近くの山林に棄てた。
−公判と展開−
殺害した4人の遺体は骨が粉々になるまで損壊させたため身元の確認ができなかった。このため、自供による証拠固めを中心に捜査を続けていた。逮捕後、関根は4人の殺害を認めたが風間の主導であったと主張。一方、風間は関根の主導で犯行に至ったと主張した。
平成13年3月21日、浦和地裁は「いずれも身勝手な理由で、次々と虫けらを殺すように毒殺などを実行した。世上まれに見る重大凶悪事犯」として、関根・風間2人に死刑を言い渡した。両被告は控訴。
尚、志麻は犯行を認め服役。平成10年8月に出所後、本事件を執筆し「愛犬家連続殺人」というタイトルで本を出したことで注目を集めている。
平成17年7月11日東京高裁は、関根、風間の控訴を棄却。2人はただちに上告した。
-死刑確定-
平成21年6月5日、最高裁は「猛毒を飲ませて中毒死させ、死体を切断して山や川に捨てた犯行は冷酷で悪質極まりない。不合理な弁解を繰り返し、真摯な反省の態度も見られない」として、関根と風間の上告を棄却した。これにより2人に死刑が確定した。
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