歴史的な衆院選まであと1週間と迫りましたが、本日はあくまでマイペースに、6月28日以来、実に8週間ぶりの読書エントリとします。これまで大体4週間に1度ペースで本の紹介をしてきたので、ずいぶんたまってしまったこともあり、ずっと気になっていたのです。本日は休みなので、例によっていいかげんでテキトーな読書評を書き散らすことにしました。
日頃は分かったような顔をして自ら「俗」にまみれ、「俗」が受肉化したような政治家たちの言動を追い、取材するのが仕事なので、やはり現実からひとときでも離れる読書は欠かせません。そうしないと私のように精神的キャパの小さな人間はどうしても煮詰まってしまいますから。いやあ、読書はいいなあ、ホント。精神がリフレッシュされます。
で、今回はまずは、昨年11月9日の読書エントリで「感銘を受けた」「圧倒された」と記した「獣の奏者」の続編「探求編」と「完結編」(ともに☆☆☆★)からです。うーん、楽しみにしていたし、実際とてもおもしろかったのですが、やはりいったん完結していた前2作「戦蛇編」と「王獣編」があまりも物語として〝完璧〟だったもので、どうしてもちょっと蛇足感がぬぐえず…。ちなみに、昨年の段階では☆マークでの独断と偏見による評価は入れていませんでしたが、前2作に関しては☆5つの最高点をつけたいと思います。
今度の作品「三匹のおっさん」(☆☆☆)は、
で、次は2001年に「翼はいつまでも」(最高!)で「本の雑誌」ベスト1に選ばれた川上健一氏の「ジャパン・スマイル」(☆☆☆★)です。帯に「あなたの心に元気がともる101の小さな物語」とある通り、見開き2ページの温かい、主に家族をテーマにしたショートストーリー101話で構成されていて、内海隆一郎氏の「人々シリーズ」をさらに短くしたような印象もあります。で、読み始めてときどき記憶にある話があったのですが、「ビッグコミック」に連載されていた際に読んでいたようです。
日経新聞が☆5つをつけていたというので読んでみたのですが、この「日無坂」(☆☆★)もどうかなあ。確かに、大店を継いだ父と道を踏み外した息子との確執と相克、家族の描写に感慨を覚え、頷かされる場面もありますが、全体としては中途半端なような。もっと枚数を費やして書き込んでもよかったように感じました。私の趣味や読解力の問題なのかもしれませんが…。
このところ、しばしば読んでいる原宏一氏の「極楽カンパニー」(☆☆☆)には、改めてサラリーマンにとって会社とは何だろうかと考えさせられました。登場人物が「会社勤めの様式美」を語るシーンなど、読んでいてかけあいがとてもおかしいのに、同時にうならせられるというか。この作品も、定年を迎えた会社人間たちが「会社ごっこ」を始めたころから始まる騒動の顛末を描いたものですが、私がここ数年読んだ本には本当に定年(後)を舞台にしたものが多い気がします。それだけ、そういうニーズがあるということなのでしょうね。
最後に、前回の読書エントリで初めて取り上げた上田秀人氏の作品を一気に。みんな徳川時代の幕府官僚でありサラリーマンである武士(旗本、御家人)を
本日はついでに漫画作品も一つ、「蒼太の包丁」(実業之日本社)を紹介しておきます。その質の高さ、おもしろさに比べ、知名度・認知度がいまひとつでもったいないと思うからです。すでに21巻まで出ているのですから、固定ファンはそれなりに多いと思うのですが。もっとメジャーになっていいはずです。
主人公は北海道出身で、東京の料理屋で働いています。料理人を主人公にした漫画はけっこうありますが、その中でもかなり完成度が高く、かつ何よりおもしろい作品の一つだと思います。といいつつ、きょうはあとでブックオフに売りにいく予定なのですが。本棚に置いておくスペースはないし…。
by maruoto010
「最低の国家」の最低の私とい…