景気が低迷する中、広島市中心部のオフィスビルで空室が増えている。中区紙屋町や八丁堀地区などの「一等地」でもテナント募集の看板が目立ち、不動産業者はテナント集めに苦戦。新築ビルでさえ空室を埋められない状況だ。月額賃料も2000年以降、最安値の水準に落ち込んでいる。
大手企業の支店が並ぶ、紙屋町交差点に近い相生通り沿いのビルの1階。昨年4月にサービス業の店が退去して以降、空室が続く。
紙屋町、八丁堀の両交差点間の相生通りは、金融機関や証券会社の支店が並ぶ「金融街」。だが1階に「テナント募集」の看板を掲げるビルが5棟以上ある。
賃貸ビル仲介のシービー・リチャードエリス(東京)によると、市中心部の6月のオフィス空室率は12・9%で、約3年半ぶりの低水準。月額賃料も3・3平方メートル当たり月額9040円で、記録の残る00年以降では最安値となった。
空室率の悪化は、大手企業の支店などの縮小や撤退の動きが影響している。
【写真説明】オフィスビルの空室が目立つ広島市中区の相生通り
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