2009年08月24日

オバマ大統領の就任演説を思い起こす

政権交代をかけた選挙戦もあと一週間を切りました。本来なら昨年中に解散総選挙が行われていたはずですが、度重なる先送りでここまで国民の審判を延ばされたのは残念なことです。それでも、延ばされた間に自らの投票の意思決定をした有権者が多く、新聞各社の予想は政権交代がほぼ確定という論調のようです。

 

さて、選挙中のために特定の政党を支援していると受け取られる内容ではなく、今日は、100年に一度の経済危機に立ち向かっていくための政権選択選挙であることを書きたいと思います。

 

多くの海外メディアが、古いしがらみによって縛られてきた日本が政権交代によってようやく国際社会の仲間入りをすると論じているようです。明治維新ならぬ、まさに平成維新の始まりです。

 

何がどのように変わるのか。変えなくてはならないのか。今年の初頭に行われたオバマ新大統領の就任あいさつが教えてくれていると私は考えています。

 

<引用開始>

我々と同じように比較的満たされた国々よ、我々が国境の向こう側の苦悩にもはや無関心でなく、影響を考慮せず世界の資源を消費することもないと言おう。世界は変わった。だから、我々も世界と共に変わらなければならない。

 

アーリントン(国立墓地)に横たわる亡くなった英雄たちが、時代を超えてささやくように、我々に語りかけてくる。我々は彼らを誇りに思う。それは、彼らが我々の自由を守ってくれているからだけではなく、奉仕の精神、つまり、自分自身よりも大きい何かの中に進んで意味を見いだす意思を体現しているからだ。これこそが時代を決するこの時に、我々すべてが持たねばならない精神だ。

 

 政府はやれること、やらなければならないことをやるが、詰まるところ、わが国がよって立つのは国民の信念と決意である。堤防が決壊した時、見知らぬ人をも助ける親切心であり、暗黒の時に友人が職を失うのを傍観するより、自らの労働時間を削る無私の心である。我々の運命を最終的に決めるのは、煙に覆われた階段を突進する消防士の勇気であり、子どもを育てる親の意思である。

 

我々の挑戦は新しいものかもしれない。我々がそれに立ち向かう手段も新しいものかもしれない。しかし、我々の成功は、誠実や勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、忠誠心、愛国心といった価値観にかかっている。これらは、昔から変わらぬ真実である。これらは、歴史を通じて進歩を遂げるため静かな力となってきた。必要とされるのは、そうした真実に立ち返ることだ。

<引用終了>

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090121-OYT1T00132.htm

 

AC(アフターチェンジ後)の830以降に必要な行動規範は、地球市民としての「思いやり」と「分かち合い」の精神であると私は確信しています。

 

オバマ大統領は、キリスト教原理主義者やネオコンと揶揄される人々が押し付けた「新保守主義」「市場原理主義」という価値観を見直し、アメリカ独立宣言の趣旨に立ち返り、民族や宗教などの壁を超えた「共生社会」を目指す、と宣言していると読み取れます。


 

日本の新首脳も、オバマ大統領との確固たる信頼関係を構築し、地球市民のリーダーとしての役割を全うして欲しいと私は考えます。

 

最後に一言・・・オバマ大統領は「我々は、キリスト教徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、それに神を信じない人による国家だ。」と語っています。私たち日本人は世界三大宗教はキリスト教、イスラム教、仏教と教えられていますが、仏教等の東洋思想は「神を信じない人」の文化ととらえられているようです。残念なことにアメリカ社会では東洋思想への理解が不足しているようです。

 

私は考えます。これからは西洋思想や東洋思想等全般に共通する共生哲学としての「地球市民思想」が求められていくのだと。特に新政権選択後の日本社会においては・・・