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【09総選挙 石川ニュース】県内外国人に聞きました ニッポンの選挙『ここが変』2009年8月25日 『騒ぐ』候補者 『黙る』有権者『名前連呼より国の将来を』衆院選も三十日の投開票が近づくにつれ、街の選挙ムードが高まっている。街頭で自らの名を連呼する候補者、静かに耳を傾ける有権者−。選挙中の見慣れた光景だが、海外から見ると異様に映るらしい。県内在住の外国人らに「ニッポンの選挙」の印象を尋ねると、苦笑交じりの皮肉や疑問が返ってきた。 (衆院選取材班) 「フランスの大統領は『サルコジでございまーす』なんて絶叫しませんよ」 七月末に金沢市国際交流員に就いたフランス人男性のモハメド・ガネムさん(22)は、自分の名前を叫び続ける選挙活動に驚いたという。「大切なのは名前ではなく国の将来。政治家はもっと静かなものです」 主義主張を訴えるより、名前を覚えてもらうのに必死な候補者たちに、スイスからの観光客女性アドリアーナさん(50)も批判的だ。 「スイスの選挙はもっと静か。候補者は市民との会話を大切にしている」。選挙カーから手を振る光景を「何かのパフォーマンスのよう」。自転車で回る候補者は「自転車レースかと思った」と冷やかした。 一方、有権者の姿勢に物足りなさを感じる人もいる。 「韓国では演説中に反対派からヤジが飛ぶのは普通。日本人がおとなしく聞いているのを不思議に思う」と男子大学院生のキム・ヒョションさん(36)。北陸フィリピン協会の宮本エブリン会長も「選挙をやっているか分からないほど静かで、市民の関心も低くそう。日本の選挙は面白くない」と話した。 小松市に住むブラジル人男性、ポンシアノ・ラウリさん(42)は、選挙への関心が低い日本人にもどかしさを感じている。「国の行く末を決めるのに、この静けさは何だ」 自身は不況で溶接工の職を失い、一月から求職を続ける。「日本には、頑張った人が報われる社会を実現してほしい。(投票権はないが)できることなら一票を投じたい」と話し、慣れない日本語の新聞で選挙情勢を追っているという。
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